「私どもの事務所にも、すい臓がんのステージ4を告知されたのが去年でしたが、今も元気に働いている木下という秘書がおります」
先週5日の参院予算委員会で、がん患者の治療と仕事の両立支援について質問した自民党の生稲晃子議員に高市首相は突然、そう暴露した。いくら自分の秘書であっても、個人名を挙げて病歴を明らかにするとは異常だ。
個情法改正案は「規制緩和」のための特例措置が目玉。AI開発の目的であれば、国や自治体、企業、果ては個人事業主までもが、個人の機微な情報に本人の同意なくアクセスできるようになる。病歴、信条、社会的身分、犯罪歴などの「要配慮情報」すらも、本人のあずかり知らぬ間に氏名や住所入りで第三者に渡る恐れがあるのだ。
こんな希代のザル法案を高市政権は「AI開発に後れを取ってはいけない」(松本デジタル相)との理由から、今国会中にも成立させようとしている。
野党側はデータ提供の際に氏名を匿名・仮名化するよう法案修正を要求しているが、松本大臣は「難しい」の一点張り。5日の会見ではCT検査の画像データを引き合いに出し、こう居直った。
「CTは1回撮ったら50枚ぐらい画像があるんですけれども、一枚一枚の右端に名前が出ている。それを削除していくのは大変な作業なので、画像としてAIに学習させる際には画像だけを見させるようにすればいい」
■個人を特定されない次世代医療基盤法があるのに…
データ提供元の作業負担軽減しか考えていない口ぶりだが、そもそも「大変な作業だから氏名削除は困難」との理屈は成り立たない。すでに個人を特定できないように医療情報を活用する仕組みがあるからだ。
「次世代医療基盤法です。国が医療情報の加工を行う事業者を認定したうえで、個人が特定されないように加工された情報が大学や製薬企業などに提供される。
問題だらけの法案なのに、高市首相は4日の衆院予算委で「懸念等については説明を受けておりません」と言い放った。さすが他人の病歴を口走っても平気なだけある。
◇ ◇ ◇
厚労省も懸念を示している個人情報保護法の改正だが、関連記事【もっと読む】【さらに読む】などでも詳しく報じている。





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