これが一国の首相の姿なのか。
高市首相が4日の衆院予算委員会で、先の衆院選中に陣営が野党候補の誹謗中傷動画の作成に関わった疑惑の追及を受けた。
さすがに大手メディアも報じ始めたが、総理大臣が挙証責任を放棄するなど、トンデモない話である。
この日、質問に立ったのは、中道改革連合の伊佐進一議員。事前に質問通告したと明かした上で、「音声の主は木下秘書では」と問うと、高市首相は「通告を見たのが今朝の3時半。ご指摘の音声は残念ながら会員制の有料オンライン。こちらの言い分は関係なく、私と面識のない方の言い分をイメージ操作で報道している。そこの有料会員になろうとは思いませんでした」とのフザケた理由で、まさかの追及逃れだ。
衆院選で野党のネガキャン動画作成に首相の陣営が関わっていたとしたら、選挙の公平性をゆがめる重大問題だ。なのに「文春の会員になりたくない」なんて屁理屈など、あり得ない。伊佐氏が「昼休憩で音声を確認してほしい」と要請すると、坂本哲志予算委員長は苦々しげに「昼の理事会で協議する」と応答した。
休憩後、午後イチの質疑で中道の長妻昭議員が登壇。「音声の真偽はどうか」と聞くと、高市首相は「(文春オンラインの)規約を確認中だが、有料のものを他人に聞かせてはいけないという規約に抵触してはいけないので、文字起こししてもらい、確認した」と答弁。結局、最後まで音声の主が木下氏か否かは明言せず、姑息な手を貫いた。
■挙証責任放棄の「ご都合主義」
極めてナメきった態度だが、かつて高市首相は自らに降りかかった疑惑の払拭に「物証」をもって積極的に反論したことがある。菅政権時の2021年、NTTの総務省接待問題が発覚。通信・放送をつかさどる総務相経験者の高市首相が接待を受けていた疑惑も浮上した。当時、高市首相はNTT側と食事した事実は認めつつ「割り勘だった」と説明。自分が支払ったという領収書まで持ち出して“無実”を訴えていた。
既に削除した高市首相のブログ(2021年3月10日)でも〈私は、「接待」は受けていない旨、(メディアの)取材者に対して、明確に文書で回答しました。当方の支払の領収証や当該店舗の料理代金が分かる資料も添付して送付しました〉と主張。接待を完全否定してみせた。
今回も当時と同様、松井氏と木下氏の接点を否定する「証拠」をもって反論したらいい。
「高市総理は都合のいいときは証拠を持ち出し、そうじゃないときはムキになって口先だけで否定する傾向にある。かつて、放送法の解釈を巡る総務省の内部文書問題で追及を受けた際は、文書を『捏造』と断じ、野党議員に『質問しないで』と放言。今回も証拠が出せないから、口先で押し切るつもりではないか」(官邸事情通)
高市首相のご都合主義の背景には、これまでの大メディアの「沈黙」もあるに違いない。高市首相の暴政にビビっている場合ではない。
◇ ◇ ◇
中傷動画疑惑をノラリクラリとかわす高市首相。弱腰報道のせいで重大疑惑がウヤムヤにされかねないが、高市首相の「嘘つき人生」は今に始まったことではない。関連記事【もっと読む】高市首相「嘘つき政治家人生」のルーツを発掘! 34年前に自ら堂々と「経歴詐称」を認めていたは必読だ。





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