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2026年5月18日の外国為替市場では取引開始直後からルピア売りが先行し、ジャカルタ時間午前10時25分には1ドル=17708.40ルピアを記録、過去最安値を更新した。急落の背景には米国の高金利長期化によるドル独歩高や、中東情勢の緊迫化による原油高など世界的要因がある。しかしそれ以上に、プラボウォ大統領が掲げる「成長率8%」という野心的目標や、学校での無償給食事業など大規模歳出政策への警戒感が市場に根強い。財政赤字拡大懸念に加え、中央銀行への政治介入を警戒した海外投資家の資金流出が、通貨安と株安を加速させた。
世界市場が動揺する中、プラボウォ大統領は週末のイベントで「経済は堅調だ」と強調。地方住民は日常的にドルを使用しないため、通貨安の直接的影響は限定的だとの見解を示した。一見すると市場の危機感と乖離した発言だが、ここには内需を盾にした防衛策という政権の危機打開シナリオが透けて見える。
政府の第一の対策は、国内消費と地方経済の底上げによる「内需主導型」の景気維持だ。ドル建て債務を抱える都市部大企業とは異なり、農村部や中小零細事業者は国内流通のみで経済が完結する。政権は地方購買力維持のため補助金支給や不良債権帳消しなど救済策を次々と実行している。大統領の発言は、国際マネーの流出に過剰反応せず、地方内需を死守する決意表明とも言える。
第二の対策は「外貨流出抑制」と「国内還流義務付け」である。中央銀行はドル現金購入上限を従来の2万5000ドルから半減。さらに資源輸出業者に対し、外貨収入の50%を6か月以上国内銀行に預け入れることを義務付けた。輸出で得たドルを海外に逃避させず、国内流動性を確保してルピアを支える狙いだ。
第三は原油高への「財政負担と価格統制のバランス」である。石油純輸入国となったインドネシアにとって原油高は最大のインフレ要因だ。政府は燃料補助金を維持し価格を据え置く方針を崩していない。財政赤字がGDP比3%の法定上限に迫るリスクを抱えながらも、物価高による消費冷え込みを防ぐことを優先している。
市場では中央銀行の利上げ観測も浮上する。利上げはドル流出を抑える一方、企業活動や消費を冷やす。景気拡大を至上命題とする政権にとって利上げは避けたい選択肢であり、為替介入や外為規制強化といった「力技」の防衛策で金利据え置きを維持しようとしている。
インドネシアが直面する試練は、グローバル金融引き締めと地政学リスクという外因に、新政権の積極財政という内因が絡み合ったものだ。
【編集:af】








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