2019年より放送開始のアニメ「鬼滅の刃」の5周年をお祝いするメモリアルイベント「鬼滅祭」が、3月9・10日に開催された。9日には、「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編の世界観を彩るキャストたちによる、オリジナル朗読劇や生アフレコを中心に展開されるステージイベント「鬼滅の宴 -刀鍛冶の里編-」も幕張イベントホールにて行われた。

会場の照明が落とされ、超満員の観客から拍手が沸き上がると、ひょっとこの面を着けた人々が客席通路を練り歩き、会場を一気に"刀鍛冶の里"の世界に引き込んでいく。ステージ上のスクリーンに里の風景が映し出される中、舞台中央のせり上がりからシークレットゲストとして、刀鍛冶・鋼鐵塚蛍役の浪川大輔がサプライズで登場。客席が歓声に包まれると、浪川は、竈門炭治郎から刃こぼれした刀が送られてきて激怒する鋼鐵塚を熱演した。

花江夏樹、鬼頭明里の無垢な演技にファンも涙...「鬼滅の刃」キャスト陣勢揃いで生アフレコを披露した「鬼滅の宴 -刀鍛冶の里編-」
花江夏樹、鬼頭明里、花澤香菜らキャスト陣がステージに登場
花江夏樹、鬼頭明里、花澤香菜らキャスト陣がステージに登場

続いて、恋柱・甘露寺蜜璃役の花澤香菜と霞柱・時透無一郎役の河西健吾が、それぞれ演じるキャラクターをイメージした羽織やヘアスタイルで登場し、2人の会話から、上弦の鬼・妓夫太郎と堕姫との戦いで負った傷を癒すため、蝶屋敷で療養生活を送っていることや、鋼鐵塚から手紙をもらったことをきっかけに炭治郎が刀鍛冶たちの暮らす里へ向かったこと、さまざまな偶然が重なり、恋柱と霞柱も同時期に里を訪れたことなどが明かされていく。

舞台は、遊郭の激闘から2ヶ月後の蝶屋敷に変わり、我妻善逸役・下野紘の元気いっぱいな声が会場に響き渡る。下野がハイテンションな演技と渾身のブリッジをステージ上で披露すると、観客から笑い声と応援の拍手が沸き上がる。

そして、炭治郎が目覚めてから1週間後の場面で、主人公・竈門炭治郎役の花江夏樹と、嘴平伊之助役・松岡禎丞がそろって舞台に。そこへ胡蝶しのぶ役・早見沙織も現れ、しのぶが伊之助に「無理しないように」と詰め寄るコミカルなシーンが再現された。

そして、場面は再び里へと移り、不死川玄弥役の岡本信彦や、竈門禰豆子役(「禰」は正しくは「しめすへん」)の鬼頭明里らも加わり、「刀鍛冶の里」編の主要メンバーが集合。蜜璃に「かっこよかったよ」と囁かれ、炭治郎が勢いよく鼻血を出す場面では、黒子が鼻血エフェクトを花江の顔に近づけて表現したり、花澤が客席に向かって「ねえ、里のみんな、炭治郎くん、かっこよかったよね!」と語りかけ、観客が拍手で応えるといった演劇的な演出も見受けられた。その一方で、里に入り込んだ上弦の伍と上弦の肆とのバトルシーンでは、鬼の攻撃を最新鋭のレーザー照明を駆使して表現。対する柱たちの攻撃も霞の呼吸は水色、恋の呼吸はピンクのレーザーというように、大規模ホールだからこそ可能となったダイナミックな表現に、6000人の観客は酔いしれた。

花江夏樹、鬼頭明里の無垢な演技にファンも涙...「鬼滅の刃」キャスト陣勢揃いで生アフレコを披露した「鬼滅の宴 -刀鍛冶の里編-」

キャスト陣によるトークコーナーを挟んでの後半戦は、河西による無一郎の双子の兄・有一郎の絶命間際のシーンや、岡本による玄弥が幼い日に兄の実弥をなじった事を回想するシーンなどで、キャスト陣の圧倒的な演技力が炸裂。彼らの熱演に会場からはすすり泣きの声があちこちから聞こえていた。
そして、炭治郎たちと憎珀天との激闘シーンで、シークレットゲストの山寺宏一が登場すると、会場からはこの日一番の歓声と拍手が上がった。アニメ初登場時、多くのファンが山寺だと気づかなかったほどに若々しい声色と迫力の演技がステージ上でも発せられ、ダイナミックなレーザー照明がキャスト陣の熱演を盛り上げた。さらに、朝日に焼かれながらも、里の民を守るために禰豆子が炭治郎を送り出すシーンでは、アニメ第11話「繋いだ絆 彼は誰時 朝ぼらけ」の挿入歌「竈門禰豆子のうた」を歌唱した中川奈美もステージに登場。花江による魂のこもった生アフレコと中川の透明感あふれる歌声のコラボ、そして言葉を取り戻した禰豆子を演じた鬼頭の無垢な演技に涙する観客が続出した。

キャスト陣による生アフレコの余韻が残る中、主題歌を担当したMAN WITH A MISSIONとmiletによるシークレットライブがスタート。「絆ノ奇跡」「コイコガレ」の2曲をパフォーマンスし、会場を大いに盛り上げた。

花江夏樹、鬼頭明里の無垢な演技にファンも涙...「鬼滅の刃」キャスト陣勢揃いで生アフレコを披露した「鬼滅の宴 -刀鍛冶の里編-」

ステージ上のスクリーンに、アニメ最新シーズン「柱稽古編」が5月12日より放送開始されることが発表され、歓声が上がる中、ステージ上には宇髄天元役の小西克幸、冨岡義勇役の櫻井孝宏、悲鳴嶼行冥役の杉田智和も登場。水柱、音柱、蟲柱、恋柱、霞柱、岩柱が顔を揃えるというサプライズに客席からは大きな拍手が送られた。そして、キャスト陣がステージを後にする中で、同じ事務所の先輩・後輩という関係でもある山寺と花江が握手と熱い抱擁を交わして、この日のイベントの成功をたたえ合い、1日限りのスペシャルイベントに幕を下ろした。

取材・文=中村実香

作品情報

アニメ「鬼滅の刃」

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