任天堂は、2月21日(水)に配信した「Nintendo Direct 2024.2.21」にて、名作RPGMOTHER3』を「ゲームボーイアドバンス Nintendo Switch Online」にて同日より配信することを発表しました。

しかし、これは日本国内向けのみの配信(アナウンス)であり、海外ファンは掲示板やSNSで落胆の声を漏らしています。


◆日本ではニンテンドースイッチで全作プレイ可能に
『MOTHER』シリーズは、1989年にファミリーコンピュータで発売された『MOTHER』を皮切りに、『MOTHER2 ギーグの逆襲』(スーパーファミコン向け・1994年)、『MOTHER3』(ゲームボーイアドバンス向け・2006年)と全3作品がリリースされています。

本シリーズはコピーライターとして知られる糸井重里氏がゲームデザイン、シナリオやゲーム内テキストなどを手掛けており、独特のユーモアを持った文章が特徴のひとつであるほか、BGMとサウンドを巧みに用いたデザインも心に残る作品です。

今回のNintendo Directでの発表により、『MOTHER』シリーズの3作品全てがニンテンドースイッチでプレイできるようになりました。

リリースから20年以上経過してもなお移植されていることからもわかる通り、国内での評価はさることながら海外でもカルト的ともいえる高い人気を誇り、『UNDERTALE』を手掛けるトビー・フォックス氏も影響を受けたと話すなど、多くの人々にインパクトを与えたシリーズです。

◆海外ファンは「最後の希望を失う」
『MOTHER』シリーズの海外向け展開は、オリジナル(スーパーファミコン)版『MOTHER2 ギーグの逆襲』が北米向けに『EarthBound』と題して日本リリースから約1年遅れた1995年にリリース。その後2015年、初作である『MOTHER』が『EarthBound Beginnings』のタイトルでWii Uバーチャルコンソール向けに配信されました。


『EarthBound』と『EarthBound Beginnings』はそれぞれ海外向けにニンテンドースイッチへ(Nintendo Switch Onlineにて)日本と同じタイミング(2022年2月)で配信されています。

これらの経緯を経てもなお、海外向けにローカライズ(翻訳)されていないシリーズは『MOTHER3』だけであり、海外ファンは今回『MOTHER3』の日本向け「ゲームボーイアドバンス Nintendo Switch Online」入りのタイミングでローカライズが発表されなかったことに落胆しているのです。

海外掲示板(Reddit)では「期待はしていなかったが、やっぱり残念」、「全ての希望を失ったと思っていた男が、まだ持っていたことすら気づかなかった最後の希望を失う」など多くの落胆の声が挙がっています。海外メディア(TheGamer)も、日本以外での地域へ配信されない可能性が高いとし、“あまり期待しないほうがよい”との見解を示しています。

なお、任天堂アメリカ(Nintendo of America)の元社長である(レジーの愛称で親しまれる)レジナルド・フィサメィ氏は2022年の海外メディア(Bloomberg)インタビューにて、『MOTHER3』がゲームボーイアドバンス向けに発売された2006年当時は、既にニンテンドーDSがリリースされた後であり、ハードの転換期(移行期)であったことから、ビジネス的な側面からローカライズ発売に至らなかったと話しています。