本展は「『Fate/Grand Order』の全て」をコンセプトに、配信開始から10年以上となる『Fate/Grand Order(以下、FGO)』の軌跡をたどるアートワーク、設定資料、映像、立体造形などを一堂に集めた大規模展示会です。
今回インサイドは、開催前日の7月16日に実施されたメディア向け内覧会に参加する機会をいただきました。本記事では、どのような展示会なのかを中心に見どころを紹介します。なお、「オープニングシアター」と「星見の回廊」エリアは撮影・録音などが禁止だったため、ぜひ現地で体験してみてください。
◆制作資料室に積み上げられたシナリオの山は一見の価値あり
会場で最初に訪れるウェイティングスペースには、「マシュ・キリエライト」の1/7スケールフィギュアも鎮座しており、シールダーからパラディーンに羽化した姿の彼女が佇んでいます。彩色はされていませんが甲冑の硬質な質感や、盾に刻まれた意匠・優しい表情は、『FGO』をカルデアの旅を共に歩んできたマスターの胸を初手から熱くさせるには十分な存在感を放っていました。
その後オープニングシアターを抜けた先にあるのが、本展覧会の目玉とも言える「制作資料室」。奈須きのこ氏をはじめとするライター陣やイラストレーター・開発スタッフが約11年間にわたって積み上げてきた「創作の足跡」が詰め込まれており、章ごとに分けられ壁一面にずらりと敷き詰められた膨大なイメージボードなど貴重な開発資料が飾られています。
個人的に一番驚いたのはプロットやシナリオが印刷されたエリアで、『FGO』最大の魅力であるストーリーが、長年にわたって書き溜められたテキストの物量を見ただけで体験できる展示になっています。改めて本作が、クリエイターたちの執念と作業の積み重ねによって築かれたものだと、強く実感させられた濃密な空間でした。
◆イベントストーリー保管庫はカオスと笑いの宝箱
制作資料室を抜けると巨大なフォウくんが柱を突き破ったオブジェが目を引く、マスターたちの思い出が詰まった「イベントストーリー保管庫」エリアへと突入。「お正月」「バレンタイン」「夏の海」「クリスマス」など、メインストーリー以外にカルデアの旅路を彩ってきたイベントが展示されています。
スチールラックの棚には、これまでのイベントに登場した劇中アイテムや小道具のレプリカ、再現された記念品が所狭しと並んでおり、例えば「サーヴァント・サマー・フェスティバル!」で配布された同人誌の数々が段ボールに詰められています。また「わえはいっぱい迷惑をかけました」という、ヴリトラの手書きの反省文が実際に残されており、思わず吹き出してしまうマスターもいるでしょう。
本エリアの目玉の一つが、ハロウィンイベントでお馴染みの建造物「チェイテピラミッド姫路城」の巨大立体模型です。怪しい紫色のライトに照らされた模型は、チェイテ城の上にピラミッドが逆さまに突き刺さり、その上に姫路城がそびえ立つというカオス極まりない造形を完全再現。ほかにも「ぐだぐだイベント」を象徴する新選組の「誠」の旗や、織田信長のミニフィギュアなど、まるで本当にカルデアの保管庫に迷い込んだかのような気持ちになれました。
◆人理修復・空想切除を振り返る「カルデアの旅」
楽しいイベントストーリーの思い出を体験した後は、「カルデアの旅」で再び物語へと立ち戻ります。エリア内を進むと「ダ・ヴィンチ工房」を再現したコーナーが現れ、「ロマニ・アーキマン」と「レオナルド・ダ・ヴィンチ」のパネルが置かれており、ストーリーを駆け抜けたマスターにとって、カルデアがどのような場所であったかを思い出させます。
壁には第1部や第1.5部の各特異点のフィールドや登場キャラクターが、コルクボードにピン留めされた調査資料のように飾られています。さらに、陰ながら命を賭して主人公を支え続けたゴルドルフ、ムニエル、エルロンなど「カルデア職員」のIDストラップが吊り下げられており、「居場所」としてのカルデアの絆を感じさせてくれました。
第2部「Cosmos in the Lostbelt」から登場した、新たな拠点「ノウム・カルデア」コーナーではネモやシオン、シャーロック・ホームズが作戦会議をしているような様子も。かつてカルデアのAチームと呼ばれ、後に「クリプター」として立ちはだかった7人のポートレートが飾られており、キリシュタリアのシルエットの傍らには、「かなうのなら。Aチームのみんなと、世界を救いたかったなぁ」と彼が遺した最期の言葉が浮かび上がっていました。
また奥には「マシュ・キリエライト〔パラディーン〕」の等身大フィギュアが置かれており、自分と実際に比較してマシュの成長を確かめられ、宝具「希望築く人理の盾(ロード・カルデアス)」の圧倒的サイズ感も必見。次は「グランドクラスの間」で、冠位として現界した14騎の描き下ろしイラストが並べられ、新鮮な姿と神々しさに驚きが隠せませんでした。
◆余韻を噛み締めるメモリアルメッセージ&コラボカフェ
第2部 終章を映像演出で振り返る展示名を冠した「星見の回廊」を抜けた先、展示の最後を締めくくるのは、壁一面を埋め尽くすほどの「メモリアルメッセージ」エリアです。武内崇氏&奈須きのこ氏を筆頭に『FGO』を支えてきたシナリオライター、多数のサーヴァントを描いたイラストレーター、登場人物のキャストなど、膨大な数のスタッフによる愛情に満ちた手書きの色紙やイラスト入りメッセージ、さらに歴代フィギュアが所狭しと並んでいました。
展示を満喫した後は、併設されたカフェ「THE SUN & THE MOON」にも足を運びたいところ。 テーブルには、愛らしいフォウくんが全面にあしらわれており、マスターを温かく迎え入れてくれます。「マシュ・キリエライト シールダーのハンバーガー」「アルトリア・ペンドラゴンのブリティッシュ ホワイトシチュー」などカフェで提供されるコラボメニューは、キャラクターのビジュアル再現にとどまらず、設定やストーリー性まで五感で展示会の余韻に浸れるでしょう。
マシュ・キリエライト シールダーのハンバーガー
アルトリア・ペンドラゴンのブリティッシュ ホワイトシチュー
レオナルド・ダ・ヴィンチのディアボロピザ
マシュ・キリエライト〔パラディーン〕のチーズとフルーツのタルトケーキ
U-オルガマリーのカシスとチョコのヴェリーヌ
マシュ・キリエライトのパープルスイートミルク
システム、起動。マシュ・キリエライト〔パラディーン〕のフローズンドリンク
ネモ船長のグレートラム・ノーチラスドリンク
シャーロック・ホームズの謎解き前の至福のひと時
◆約11年の旅路を体験できた展示会
「Fate/Grand Order展 -星見の回廊-」は、約11年にわたって紡がれてきた『FGO』の歴史を、物語と制作の両面から振り返ることができる展示会でした。膨大な開発資料や設定画からは作品が生まれるまでの軌跡を、ストーリー展示では人理修復から続くカルデアの長い旅路を改めて思い返すことができ、プレイしてきた時間そのものを追体験しているような感覚になりました。
本記事で紹介できた展示は全体の一部に過ぎません。撮影禁止となっているオープニングシアターや「星見の回廊」の映像演出をはじめ、会場には実際に足を運んでこそ味わえる展示や演出が数多く用意されていました。
「Fate/Grand Order展 -星見の回廊-」は7月17日~9月14日の期間、森アーツセンターギャラリーで開催。詳細は公式サイトをご確認ください。


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