「週刊東洋経済」「週刊ダイヤモンド」「週刊エコノミスト」、毎週月曜日発売のビジネス誌3誌の特集には、ビジネスパースンがフォローしたい記事が詰まっている。そのエッセンスをまとめた「ビジネス誌読み比べ」をお届けする。

コロナ禍で増えたゴルフ初心者。今、人気沸騰

「週刊ダイヤモンド」(2023年5月13日号)の特集は、「ゴルフ沸騰」。今、ゴルフ人気が沸騰しているという。予約が取りにくくなり、ゴルフ場会員権は沸騰。ゴルフの最新動向をまとめている。

なぜ今、ゴルフが人気を集めているのか?

新型コロナウイルスの感染拡大が理由というから驚いた。

緊急事態宣言下でゴルフ練習場に足を運んでいた初心者が、ゴルフの爽快感に魅了され、次々とラウンドデビューを果たしているというのだ。

経済産業省の調査によると、2021年のゴルフ場来場者数は、前年に比べ100万人以上増え1000万人を突破。22年も1053万人を記録し、2000年以降で過去最多となった。ニューカマーの増加で、ゴルフ場の予約が取りにくくなる事態も生じているという。

会員権相場も過熱している。

会員権売買仲介最大手の桜ゴルフによると、関東圏の会員権は21年の平均騰落率が9.1%と8年ぶりの高水準となった。

22年も6.3%を維持。今年に入ってからも堅調に推移している。

女子プロ人気も拍車をかけている。

渋野日名子プロをはじめとする1998年度生まれのタレント豊富な「黄金世代」の選手たちだ。各トーナメントの優勝賞金も上がり、男子ツアーを抜き、21年は40億円を突破し、いまなお過去最高を更新し続けている。

ゴルフファッションにも火がついた。

渋野プロがファッションブランド「ビームス」のゴルフウェアを着て全英女子オープンを制覇したことがきっかけだ。アパレル業界のゴルフウェアへの参入も相次いでいる。

矢野経済研究所の調査によれば、22年に市場規模は1000億円を突破、今年は1100億円を上回ると見られる。

多忙なビジネスパーソンはどのようにしてゴルフの腕前を磨いているのか。大手企業の上級者に上達の4つのポイントを聞いている。

1 徹底した素振りと左手の感覚磨き
2 曲げない球を接待ゴルフで習得
3 目標から逆算したイメージトレーニング
4 動画撮影と小まめなメモ

◆プレーしてよかったゴルフ場は?

全国のゴルフ場支配人とアマチュアゴルファーの計959人が選んだ「プレーしてよかった」ゴルフ場のランキングを掲載している。

1位に輝いたのは、川奈ホテルゴルフコース(神奈川県)。2位にダブルスコアを付ける圧倒的な評価を得た。2021年、22年、そして今年と3連覇を達成。メンバーシップの超名門クラブとは異なり、ホテルに宿泊すれば一般ゴルファーにも門戸が開かれているのが人気の理由だ。

特に人気が高い富士コースは、女子プロツアー「フジサンケイレディスクラシック」の舞台で、「東洋一難しい」といわれるトーナメントコースだ。戦略性が高く面白いコースだと評判だ。

2位に輝いたのは北海道クラシックゴルフクラブ(北海道)。前年9位から大きくジャンプアップした。設計を手掛けたのは海外メジャー18勝の帝王、ジャック・ニクラスだ。自身、「手掛けた日本のコースの中で、最高のコースであることは間違いない」と豪語している。

スコア100を切ったり、叩いたりの平均的なゴルファーの評者が見ても、このところ若いゴルファーが増えている。ゴルフ=中高年のイメージが変わるのは、シニアにとっても喜ばしいことだ。

1泊25万円の高級ホテルも登場

「週刊東洋経済」(2023年5月13日号)の特集は、「押し寄せるインバウンド! ホテル 富裕層争奪戦」。「爆買い」から「高級体験」へと、訪日外国人の志向が変わり、高級ホテルのオープンラッシュが続く。その最新事情とは。

高級ホテル戦争は新次元に突入したという。富裕外国人の受け皿として1泊25万円の高級ホテルも登場した。これらは世界の最高級ホテルに匹敵するほどのラグジュアリーホテルだという。

令和の御三家といわれるのが、ブルガリホテル東京(中央区、2023年4月開業)、ドーチェスター・コレクション(千代田区、2028年開業予定)、ジャヌ東京(港区、23年秋開業予定)だ。

いずれも客室が100室前後のブティックホテル(テーマ性のある高級ホテル)であること、プールやスパなどのウェルネス施設が充実しているのが特徴だ。

このほかにも客室単価が3万円以上の高級ホテルが次々に日本へ進出する。激戦区の東京では28年までに14軒の高級ホテルが開業を予定しているが、そのうち12軒が外資系だ。

その代表として、ブルガリホテルの全貌に迫っている。

三井不動産が開発した東京駅前の複合ビル「東京ミッドタウン八重洲」に4月4日にオープンした。ミッドタウン八重洲の40~45階に位置し、全98室のうち23室がスイートルーム。

なかでも、ブランド名を冠した「ブルガリ スイート」は、国内最大級の400平方メートルの広さを持つ。3つのリビングルーム、キッチン、ジムを完備。宿泊費は1泊400万円超とされる。

「スーペリアルルーム」(51平方メートル)でも5月の連休明けから9月下旬まで、31万円台(大人2名1泊)。超がつく強気の料金設定だと見ている。

◆2万円以下で泊まれる「プチぜいたくホテル」7選

追い込まれる国内ホテルにも挽回策があるという。

帝国ホテルが26年に開業する京都の新拠点だ。30年ぶりの新規出店となる。祇園にある国の登録有形文化財「弥栄会館」を改修しホテルとする。客室は60室のみ。歴史的建造物に泊まれる体験を提供する、「スモールラグジュアリーホテル」を目指す。

2万円以下で泊まれる「プチぜいたくホテル」7選も参考になるだろう。

朝食がおいしいのは「センチュリーマリーナ函館」。東京で朝食ビュッフェが好評なのは、豊洲市場近くに開業した「ラビスタ東京ベイ」。温泉があるのは、沖縄・那覇空港から車で40分の「ユインチホテル南城」。愛媛・松山市の道後温泉に開業した「道後hakuro」は1泊1万円前後なので、出張者の利用も多いという。

サウナルームで評判なのが、東京スカイツリーのすぐ前にある「リッチモンドホテル プレミア東京スコーレ」。それから、鉄道好きにはJR名古屋駅に直結する「名古屋JRゲートタワーホテル」がお勧めだ。

リゾート地では、沖縄・石垣島の「コンフォートホテル石垣島」が、リゾートホテルのような雰囲気でありながら価格はリーズナブルだ。

インバウンド需要の増加で、宿泊代金は上昇傾向にあるが、プチぜいたくできるホテルはまだまだあるという。

1億円超えた首都圏の新築マンション平均価格 どうやって買う?

「週刊エコノミスト」(2023年5月16日号)が、「最強のマンション購入術」と題して特集している。

3月に首都圏で販売された新築マンションの平均価格は、1億4360万円と単月で初めて1億円を超えた。不動産経済研究所によると、1973年調査開始以来の最高価格だという。夢のマイホームをどうすれば賢く入手できるのか?

穴場は東京都足立区エリアだ。治安が改善し、都心へのアクセスが良いわりに割安感があるそうだ。郊外では、相鉄線と東急線の相互乗り入れが始まった相鉄線の西谷駅周辺の開発が進み、地価上昇が期待できるという。値上がりしそうな物件を選ぶことが大切なようだ。

価値ある物件を賢く買う5つのポイントを挙げている。

1 情報収集を徹底 物件情報サイトで、一定期間同じ条件で検索すると相場が分かる
2 気になる物件は内見 天井の高さ、コンセントの位置、景観などが分かる
3 価格交渉する 周辺相場や類似物件の状況が分かれば、有利に価格交渉できる
4 優遇制度はないか確認 勤務先に福利厚生サービスを活用する
5 特典はないか確認する 仲介手数料半額や無料、キャッシュバックなどの場合もある

一方で、新築を避け、中古住宅を購入して内装や間取りを変えて住む「リノベーション」(リノベ)の人気が高まっている。リノベを含む住宅リフォームの市場規模は6.9兆円と推定され、国内住宅投資額の3割以上を占めるという。

ただし、問題物件もある。管理組合の運営状況や築年数、耐震基準が新旧のいずれかなどを確認することが大切だ。

◆住宅ローンは固定金利より変動金利が有利

住宅ローンは、固定金利より変動金利が有利だという。なぜなら依然として大幅な金利差があるからだ。

仮に6000万円を35年返済で借りた場合、固定金利の「フラット35」だと毎月の返済額は19万1450万円。総返済額は8040万9000円となる。一方、変動金利(0.75%)だと、毎月16万2470円、総返済額6823万7587円となる。

原則として、変動金利での借り入れを勧めているが、ボーナス併用返済は慎みたいとしている。業績カットで返済が難しくなるケースもある。変動金利で借りた場合は、固定金利で借りた場合との差額分は、全額貯蓄に回すことは必須だという。

約30年前、首都圏でも5000万円ほどで新築マンションを買うことはできたものだった。ひるがえって今、1億円のマンションを購入できるのは、どういうカップルなのだろう? 我が子の世代の厳しさが身につまされた。(渡辺淳悦)