「デビュー40周年のタイミングで形に残ることをしたいと思っていたので、アルバムをリリースできたのはとても感慨深いです」

そう話すのは、’81年10月に『センチメンタル・ジャーニー』でデビューした松本伊代さん(56)。“花の82年組”として芸能界を走り続けてきた彼女だが、40周年を記念して、昨年12月にアルバム『トレジャー・ヴォイス』をリリース。

じつに30年ぶりのアルバム収録だったという。

「『センチメンタル・ジャーニー』は歌いすぎてるせいか、自分では普通に歌ってるつもりでも慣れが出ちゃって、プロデューサーさんに『もっと丁寧に歌って』と言われてしまいました(笑)。自分でも『センチメンタル・ジャーニー』となれ合いになってるなって。筒美京平先生と湯川れい子先生のタッグが懐かしくて、デビュー当時を思い出しながら歌いました」

このアルバムは当初、10月のデビュー記念日にリリースする予定が延期に。伊代さんは昨年6月、自宅でヨガを行っている最中に、無理なポーズをして背骨を圧迫骨折してしまったのだ。

「いまは普通に歩けるようになりました。でも、ソファのように柔らかい椅子だと立つときに沈みやすくて、それが背骨に負担をかけるのでちょっとつらいですね。私が圧迫骨折した箇所は骨粗しょう症とは関係ない位置だと医師に言われたのですが、今後また転んだりするかもしれないから不安です。最近は、カルシウムやビタミンDを意識して取るようにしています」

一時は寝たきり状態になったというが、そんな大ケガを乗り越えられたのは夫・ヒロミさん(56)の支えが大きかったという。

「圧迫骨折中は、パパが身の回りのお世話を全部してくれました。パパには本当に感謝しています」

長男(26)、次男(23)の2人の息子にも恵まれたヒロミ家だが、コロナ禍で家庭内にも変化が。

「パパが家にいる時間が増えたので、家族みんなでYouTube『Hiromi factoryチャンネル』を撮る機会が増えました。

長男が『こういうゲームしようよ』と言って企画を考えることが多いですね。生クリームを顔にぶつけるとかの罰ゲームはパパが考えます。『ママ、生クリーム買っといてよ』って言われて私が買いに行くんです。でも私がだいたいゲームで負けるので『ぶつけられるのは絶対私だろうな』と思いながら買うのが複雑なんですよ(笑)」

そんな和気あいあいとしたヒロミ家だが、2人は50代後半にさしかかり、老後について話し合う機会が増えたと伊代さんは話す。

「河口湖に別荘があるので、そっちでゆっくり過ごしたいねとか、海があるところもいいねとか話すようになりました。あとは、どこかの施設に一緒に入れるようにお金を貯めておこうかとかも話します。でもいろんな話が出るのでどれが本当なのか、わからなくなってしまうんですけどね(笑)」

■息子の嫁に介護してもらうのも申し訳ない

“おひとり様老後”について考えることもあるそう。

「もしヒロミさんが先に死んじゃったら老人ホームに入ろうかなと考えたりしています。家の近くを散歩しているときに施設を見つけると、『将来はここで暮らすのかな』と想像してみたり」

老人ホームに入るという選択肢は2人の息子の“将来のお嫁さん”への気遣いでもあるようだ。

「うちは息子が2人だから、将来結婚したときに、お嫁さんに自分の面倒を見てもらうのは申し訳ないじゃない? だから、家の近くの施設だったら面倒も見てもらえるし、息子も遊びに来てくれるかもしれないからちょうどいいのかなって思ったりもしています」

最後に今後の目標を聞くとーー。

「今年はコロナが落ち着いたら40周年のライブをしたいですね。そしてこれからも、ずっと歌い続けていきたいです!」

「伊代はまだ、56だから」といわんばかりに活躍を広げる彼女から、ますます目が離せない。

(取材・文:インタビューマン山下)

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