《ひなたの道を歩けばきっと人生は輝くよ 最終回ありがとうございました♪》

4月8日、インスタグラムにこうつづった川栄李奈(27)。

同日、彼女が3代目ヒロイン・ひなたを演じた連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK)が完結した。

昭和、平成、令和にかけて3世代100年の絆を描いた同ドラマ。最終回では、数々の伏線を回収していく怒濤の展開となった。そこで『カムカム』ロスのあなたに、感動よみがえる秘話を一挙公開!

【1】ヒロイン3人が1年ぶり再会

「すでにロスです。私はヒロインのなかでも安子が好きでした」

本誌の取材にこう語ってくれたのは、芸能界屈指の『カムカム』ファンである岡部まり(62)。上白石萌音(24)が初代ヒロインを演じた安子編で心をつかまれた彼女は“親戚のおばさん”のような気持ちで物語を見守っていたという。

「こちらは“真実”を知っているので、るいを見守りながら『あなたのお母さんはそんな人じゃなかったのよ』というおせっかいな気持ちが湧いてきて(笑)。ひなたが生まれたときなんかは、自分の孫のように感じました」

NHK関係者は言う。

「上白石さんが演じた安子は、視聴者人気が最も高かったようです。激動の時代に翻弄されながらも、力強く生きた姿に心を打たれた人が多かったみたいですね」

そんな安子が最終盤で再登場!

「2月下旬、クランクアップの2日前に、幼少期の娘・るいと抱き合うシーンと、安子がロバートと米国に渡って暮らす2シーンを追撮しました。現場入りした上白石さんはすでに涙ぐんでいました。実は、2代目を演じた深津絵里さん(49)と川栄さんが自らの撮影シーンがないにもかかわらず、“安子のラストシーンを一目見よう”と自発的に現場に集まってきたのです。

3人が集合するのは、ポスター撮りの昨年3月上旬以来、約1年ぶりのことでした。

深津さんも上白石さんも目に涙を浮かべ、川栄さんは感極まって号泣していました」(前出・NHK関係者)

感動シーンといえば、るいと森山良子(74)演じるアニー・ヒラカワこと安子の約50年ぶりの再会が最大のクライマックスだった。

「るいと安子の心からあふれ出る感情を切り取るべく、リハーサルなしの一発撮りでした。ですから緊張感ある映像になっていたと思います」(制作関係者)

■虚無蔵役・松重豊が最も驚いたキャストは…

【2】最終盤のアニーに賛否両論が

5日の放送回では「シアトル生まれのアニー・ヒラカワ」が、ラジオで自分が「岡山生まれの安子」であると日本語で突然告白。前日まで英語で話していた彼女のとっぴな言動に違和感を抱いた人もいてSNS上では反響が相次いだ。

《アニーさん、放送事故なのでは》《やっぱりアニーさん安子ちゃんだった、、、ラジオのところ泣いた、、》

さらに翌6日の放送回では、クリスマスコンサートが行われている岡山の会場に赴くアニー。ところがひなたに見つかると、猛ダッシュで逃走――。テレビウオッチャーの桧山珠美氏はこう苦笑い。

「ぶっちぎりで、30代の孫を振り切る。78歳の全力疾走に驚いた視聴者は多かったと思います」

同日に放送された『あさイチ』(NHK)では、鈴木奈穂子アナ(40)が岡山県民のメッセージを紹介。アニーの疾走シーンについて、地元民の分析を伝えていた。

「演出上であることは承知していますが、あの距離を実際走るとすると、安子おばあちゃん、5キロ全力疾走したことになります」

視聴者から次々とツッコミが入るほど、アニーの一挙手一投足に注目が集まったのだ。

【3】松重豊の「二重の戸惑い」

「松重さん演じる伴虚無蔵の『日々鍛錬し、いつ来るともわからぬ機会に備えよ』は『カムカム』の名ゼリフナンバーワンでしょう」(前出・桧山氏)

数々の“金言”でひなたを鼓舞し続けた大部屋俳優の伴虚無蔵。

だが、松重豊(59)は虚無蔵を演じるにあたって戸惑いを抱いていたという。

「松重さんは“5万回斬られた男”として知られる福本清三さん(享年77)を、虚無蔵に投影させていました。大部屋俳優の悲哀ある世界観を表現するのに試行錯誤したといいます」(前出・制作関係者)

さらにもうひとつ、松重を戸惑わせたことが……。

「算太を演じた濱田岳さん(33)について、『自分よりも年上の役をやっている!』と誰よりも驚いていました。3世代100年物語を描くからこそのキャスティングに、感慨深い思いを抱いたようです」(前出・制作関係者)

■上白石を歓喜させた祖父母の「朝ドラ愛」

【4】『オードリー』岡本綾“再出演”

歴代の朝ドラが登場することで、それぞれのヒロインたちの時代が映し出された『カムカム』。なかでも2000年代に入ったことを示唆した『オードリー』(第63作目)は、ヒロインを演じた岡本綾(39)がブラウン管の画面に大きく映し出された。

「本作も同じく舞台は京都・太秦で、映画製作に情熱をささげたヒロインの半生を描いた物語でした。すでに芸能界を引退した岡本さんの顔のアップに、涙した当時のファンは少なくなかったといいます」(テレビ誌ライター)

【5】史上最多の「同一人物が別キャスト」

「喫茶店の店主役・世良公則さん、モモケンこと尾上菊之助さん、ケチ兵衛こと堀部圭亮さん、豆腐屋のきぬちゃんこと小野花梨さん……。複数の出演者がその子供や孫まで演じるのは、朝ドラ史上初めてです」(前出のNHK関係者)

ヒロインを取り巻く登場人物たちも、それぞれに家族のバトンを受け継いでいったのだ。

朝ドラ初出演ながらも、最後まで大きな存在感を放った上白石。その活躍を喜んだのは両親以上に、鹿児島に住む祖父母だったという。

「萌音さんの祖父母は、彼女が登場しなくなっても『カムカム』を見続けていたそうです。

最終盤で萌音さんが再登場したシーンは、喜ばしいプレゼントになりました。祖父母が自分の演技を心待ちにしてくれていたことが、彼女のモチベーションにつながったそうです」(前出・制作関係者)

上白石家の親子3代の絆も、「カムカム」がつないでいたのだ――。

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