脳梗塞、心筋梗塞……。血管が詰まることで引き起こされる疾患には深刻なものが多い。

発作を起こして、運よく一命をとりとめても、後遺症が残ったり、介護が必要な状態になるなどの可能性があるため、十分すぎる注意が必要だ。

血管が詰まることを予防するには、まず食生活の改善から始めたい。

肉料理中心の食事を控え、塩分の摂取量を見直すのはもちろんだが、血液をサラサラにして、血管が詰まる大きな原因である高血圧を防ぐ効果のある食品を取ることが重要なポイントになってくる。

「そこでご紹介したいのが干しシイタケです。

これに生姜をプラスすれば、血管の詰まりと高血圧予防の強い味方になります」

と言うのは、栄養士・食のアドバイザーの成田和子さんだ。

干しシイタケの健康効果は生シイタケの約10倍ともいわれる。

「骨粗しょう症にもよいとされるシイタケですが、特筆すべきは、シイタケの『エリタデニン』という成分には血圧の上昇を抑える効果、血管の詰まりやコレステロールの増加を防ぐ効果があるのです。

これは、きのこ類のなかでもシイタケとマッシュルーム特有の栄養成分で、特にシイタケに多く含まれています」(成田さん・以下同)

■干しシイタケの戻し汁には栄養成分が豊富に含まれる

さらに、シイタケは干すと水分が減り、栄養成分が濃縮される。そのため干しシイタケは、このエリタデニンの含有率もいちだんと高くなるのだ。

この干しシイタケのゴールデンコンビとなるのが生姜だ。

生姜には多くの効能があるが、ここでは血管を健康にする成分に注目したい。

「生姜の辛味成分であるジンゲロール、ショウガオール(ジンゲロールを加熱するとショウガオールになる)には、血管を広げて血行を促進する働きがあります」

干しシイタケと生姜を使ったレシピとして、今回は作りやすい煮物を紹介。

エリタデニンは水に溶けやすいので、干しシイタケの戻し汁も残さず活用することが肝心だ。

「干しシイタケは1日2枚分程度を毎日取るのがおすすめです」

干しシイタケ&生姜で今すぐ血管詰まりの予防を始めよう!

■シイタケに含まれるエリタデニンは水に溶けやすいので戻し汁も活用

【干しシイタケの生姜煮】

<材料>

干しシイタケ25g
生姜15~20g
水250ml
砂糖大さじ1と1/2
醬油大さじ1
塩少々
サラダ油適量
ねぎ適量

<作り方>

干しシイタケを250mlの水で戻す(1時間半以上)。シイタケはそれぞれ3等分に切る。シイタケを油でさっと炒め、千切りにした生姜と戻し汁を加えて5分ほど煮てから、砂糖、醬油、塩を加えて汁けが半分の量になるくらいまで煮る。好みでねぎを添える。

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