《支えてくださる方々がたくさんいますし、現場の仲間意識が強く、一つの良い作品を作るという同じ目的に向かっているので、絆もどんどん深まっている気がしています》(「Meiji NOW」)

3月28日に配信されたWebメディアのインタビューで、’24年度前期の連続テレビ小説『虎に翼』の撮影現場での充実ぶりを明かしたのは、伊藤沙莉(29)。

同作で伊藤は、日本初の女性弁護士となった三淵嘉子氏をモデルにした主人公・猪爪寅子を演じている。

過去に何度も朝ドラのオーディションに落ち、「朝ドラはコンプレックスだった」と告白している伊藤。そんな彼女が理想とするヒロイン像があるという。

’23年2月、『虎に翼』の制作発表会見で、伊藤が出演した’17年度前期の朝ドラ『ひよっこ』の話になり、同作で主人公を務めていた有村架純(31)についてこうコメントしていた。

「有村さんはいつも穏やかで優しく、凜としていてヒロインそのものでした。そして役柄はもちろん、有村さんご自身もとてもすてきな方。有村さんのように、皆さんが支えたい、応援したいと思うヒロインを目指したい」

伊藤には気軽に相談できる朝ドラヒロイン経験者の友人も……。

「’19年のドラマ『これは経費で落ちません!』で共演した多部未華子さん(35)です。

多部さんは礼儀正しく、地に足がついている伊藤さんのことを大変気に入ったようで、LINEでは伊藤さんをピン留めして上位に表示していて、いつでも反応できるようにしているそうです。

昨年の正月には多部さんから『ご飯に行きたい』と電話がかかってきたこともあるそうで、’09年度前期の朝ドラで主演を務めている“先輩”は親身になって伊藤さんの悩みを聞いてくれることでしょう」(芸能関係者)

■「西田さんに見せても恥ずかしくない演技を」

9歳のときに子役としてドラマデビューし、学校で“売れない子役”とあだ名が付けられる苦節を経て、朝ドラで主人公を演じるまで“出世”した伊藤。ここに至るまでに、先輩や後輩、友人など20人仲間たちと関わり、磨かれてきた。

伊藤が大きな影響を受けた一人が、大親友の松岡茉優(29)だ。

「松岡さんと’12年の映画『悪の教典』の撮影で意気投合して以降、仲がいいそうです。

伊藤さんは役者として松岡さんに嫉妬し、刺激をもらってきたそうです。

同世代だと、松岡さんのほかにも、吉岡里帆さん(31)や元Sexy Zone中島健人さん(30)とも、若いころから苦楽を共にしてきていて、親交が深いといいます」(スポーツ紙記者)

役者の階段を一歩ずつ上っている伊藤。そんな彼女が憧れていた女優がいる。

樹木希林さん(享年75)です。伊藤さんが高校生のときに映画『悪人』での希林さんの演技を見て、その圧倒的な表現力に衝撃を受けたのだとか。

共演を目標に芝居を学んできましたが、’18年に希林さんが急逝。

訃報を聞いた伊藤さんはひとり大泣きしたそうです」(前出・芸能関係者)

尊敬する希林さんのほかにもう一人、伊藤が“一度は共演したい”と願う俳優が――。

’23年5月に配信されたインターネットラジオ番組『伊藤沙莉のsaireek channel』で、こう語っている。

西田敏行さんはもう 本当に必ずご共演させていただきたいという感じで、もう夢ですね。これは。西田さんにもその旨は伝えまして」

伊藤と西田敏行(76)の関係を映像制作関係者が明かす。

「西田さんが映像で伊藤さんの演技を見て、女優として気に入り、メールで連絡を取り合うようになったそうです。

人伝いに連絡先を交換しており、テレビ局などですれ違ったこともないため、対面したことはないそうです。

ときどき西田さんのほうから、《つくしんぼ、春を見つけました》といった内容のメールが届くと伊藤さんが話していました。

現在、伊藤さんは“西田さんに見せても恥ずかしくない演技をできるようになること”が女優業のモチベーションのひとつだといいます」

老若男女問わず、交友関係が広く人たらしな伊藤だが、これほどまでに人に好かれる理由とは……。前出の芸能関係者はこう推察する。

「子役時代から数々の現場を経てきた伊藤さんの演技は、役者仲間にも高く評価されています。

黒木瞳さん(63)、山田孝之さん(40)、千葉雄大さん(35)が製作に携わったそれぞれの映画にキャスティングされるほどです。

伊藤さんが自身のことを“人見知り”と称しているように、誰とでも仲よくなる陽気な人柄ではありませんが、どんな人とでもフラットに接していて、好感を持たれやすいのでしょう」

’24年3月に発売された『虎に翼』のガイド本で伊藤は、《少し大げさかもしれませんが、何かと闘っている人にとって、今日や明日を生きる支えになるような作品になるといいなと思っています》と意気込んでいた。

幼いころから演技を磨いてきた彼女にとって朝ドラの撮影に臨む際に、相談できる20人の存在は、“虎に翼”なことだろう――。