4月6日から7日にかけ、東日本大震災の復興状況ご視察のため、福島県の浜通りを訪問された天皇ご一家。7日午後には、福島県浪江町の復興のシンボルとして、2021年にオープンした「道の駅なみえ」に足を運ばれた。

「天皇ご一家は、道の駅内の地場産品販売施設『なみえの技・なりわい館』で、浪江町の伝統工芸品『大堀相馬焼』の説明を受けられました。原発事故により、浪江町では町内全域に避難指示が出され、職人たちも一時は全国各地へ離散。しかしその後も伝統を絶やさぬよう、仮設の工房などを設けながら、職人の方々は活動を続けてきました」(皇室担当記者)

「なみえの技・なりわい館」には、愛子さまのお印であるゴヨウツツジがラベルに描かれた日本酒「すずなり」も置かれていた。「すずなり」は、2021年からなみえの技・なりわい館に設けられた酒蔵で酒造りを再開している鈴木酒造が造った道の駅なみえの限定品だという。

「道の駅開業5周年と、愛子さまの福島県へのご来訪を記念したラベルです。愛子さまはその説明を受け、『売れなかったら私の責任ですね』とユーモアを交えてお話しになり、雅子さまも「売れるといいですね」と述べられ、周囲は笑いに包まれました」(前出・皇室担当記者)

この際に、施設内の案内役を務めた駅長の渡邊友二さんはこう語る。

「ご視察のあと、御休所に戻られた天皇陛下に『日本酒がお好みとうかがっています』と申し上げましたら、『そうですね。ぜひ飲んでみたいですね』とおっしゃっていました」

そのほかにも、ご一家は敷地内のさまざまな商品を見て回られた。

「入り口付近では、浪江町のゆるキャラ『うけどん』に目を留められていました。『どういうものですか?』と雅子さまと愛子さまが興味を持たれていましたので、身体はお餅、頭はシャケ、髪の毛はイクラでできたお米の妖精です、と説明しました。雅子さまと愛子さまは『面白いですね』『可愛いですね』と、お顔を見合わせていらっしゃいました」(前出・渡邊さん)

また両陛下と愛子さまは「しらすふりかけ」にも興味を持たれていたようで……。

「雅子さまは『おいしそうですね』と、愛子さまも『浪江町の請戸漁港で揚がったしらすなんですね』とおっしゃっていました」(前出・渡邊さん)

こうした一つひとつのおことばやお心遣いには、両陛下や愛子さまの復興を支援したいという強いお気持ちが表れていると、前出の皇室担当記者は話す。

「しらすは浪江町の地産品として知られています。震災時の津波でも請戸漁港は大きな被害を受けていて、しらすのみならず福島県の農作物、水産品に対する風評被害に、県民は苦しめられてきました。両陛下や愛子さまは、こうした経緯をよくご存じです。

言及されることを通じて、県産品の安全性や復興に向けた取り組みをより多くの国民に知ってもらうという意義もあるといえるのです」

前出の渡邊さんは、天皇ご一家を案内するのは、さぞ緊張するだろうと思っていたそうだ。

「実際にお会いすると、ご一家は大変物腰が柔らかく、笑顔で話しかけてくださって、緊張も和らぎました。両陛下と愛子さまのお気持ちが大変ありがたかったです。

特に愛子さまは、常に笑顔で接してくださいました。私どもはサービス業に携わっていますので、笑顔の練習をしますけれど、なかなか愛子さまのようなご表情はできないです。間近で拝見して、すごく自然で美しい笑顔でいらっしゃると思いました。多くの方が癒されるのがよくわかりました」

そして、天皇ご一家のご訪問が復興の励みになったと続ける。

「まだまだ復興途中の浜通りの現状や、地域の人たちが頑張っている姿をご覧になっていただきました。そしていろんなお言葉もかけていただいて、私たちも大変嬉しく思います。

これからもっともっと頑張っていこうという力になりました」

東日本大震災から15年。記憶を風化させないよう、これからも天皇ご一家は被災地に心を寄せ続けられることだろう――。

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