5月6日、福島県の磐越自動車道で起きたマイクロバスの死傷事故が連日報道されている。新潟県の私立北越高校ソフトテニス部20人を乗せたマイクロバスがガードレール衝突。

高校生など21人が死傷し、バスを運転していた若山哲夫容疑者(68)が過失運転致死傷の疑いで逮捕された。

「争点になっているのは、運行を請け負った蒲原鉄道が外部の知人に運転手を依頼、白ナンバーのレンタカーを手配していたことが“白バス行為”に当たるかどうか。また、北越高校側がそれを認識したうえで発注していたかなどです。

双方の当初の記者会見での主張は食い違い、蒲原鉄道は予算がないのでレンタカーを使いたいと依頼があったと主張。レンタカーの手配は無償、営業担当者の知人の知人を運転手として紹介したとしています。一方の北越高校側はそういう事実はないとしていたんですが、2回目の会見で“顧問に丸投げ”していたことが分かりました」(社会部記者)

問題となっているのは“白バス行為”が行われていたかどうかだ。国土交通大臣の許可を受けずに、有償で自家用車を使用して旅客を運送する行為だが、これは道路運送法違反となり、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられる。

「白バス行為は、まず安全基準が担保されていません。正規のバス事業者には道路運送法に基づく厳格な許可基準をクリアする必要があり、車両の整備や運転手の適正、運行管理など数多くの安全基準が儲けられています。また、事故時の保証でも事業者と一般ドライバーではまったく違います。今回はレンタカーを“素人”が運転している状態での大事故。しかも、学生が乗っているバスでの死傷事故です。

北越高校と蒲原鉄道のどちらも大きな責任を問われているのは間違いありません」(前出・記者)

北越高校は男子ソフトテニス部が昨年1年間で12回の遠征を行っており、学校が蒲原鉄道に直接依頼はしていないと返答。手配していたのは顧問の寺尾宏治氏で、遠征12回中3回がレンタカーのマイクロバス、5件が貸切バス、4件がハイエースのレンタカーだったと説明。費用は20万から30万円の間だったとした。蒲原鉄道からの請求書はきちんと確認せずに会計担当者に渡していたとも話し、白タク行為があっても気づかなかった様子。事故当日、白ナンバーのレンタカーであることを確認したかの問いには「恥ずかしい話だが、したことはなかった」と返答した。

「生徒の安全を最優先にするべきなんですが、部活動は“自主的な活動”扱いで学校行事ではないという位置づけになっています。つまり、学校の予算を使えないことも多い。顧問や保護者による送迎や、白バス行為自体は、全国的に横行しているといわれています。国による対策が必要ではないかという声も上がっているところです」(前出・記者)

そこで、文部科学省の大臣官房総務課広報室に電話取材してみたところ、スポーツ関連担当者に話を聞くことが出来た。

「今般の件については、北越高校への事実関係の確認を行っているところでございます」

調査の上で、白バス行為などが発覚した場合はペナルティなどが課されるのか聞いたところ「仮定の質問にはお答えできかねます」という。

部活動が“自主的な活動”に位置づけられていることについては、

「そうですね、学校の判断で行われている活動となります。ただ、学校教育の一環として行われているものではありますので、生徒の安心、安全の確保というのが重要であるというのはこれまでも示してきております」

と答えた。

そのうえで、

「我々としてどのような対応が必要なのかということを、内部でしっかり事実関係に基づいて確認はしていくという意味で、今般の事案に関しての事実関係の確認を進めております」

と語った。また、全国的に部活動の送迎に“白バス行為”が利用されているという懸念については

「把握といいますか、部活動の顧問や保護者が送迎をするというようなことがあるという話を聞いたことがまったくないわけではありませんけど……それぞれの事案の詳細を踏まえて、何か問題があるのかということは違ってくると思います。ただ、今回の事案については、事実関係を確認中としか申し上げられません」

と回答した。死者も出ている重大事案であるが、文科省はあくまで個別の事件として調査しているというわけだ。全国的に、同様の事故がいつ起きてもおかしくない状況だが……。

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