「原作本にある末井さんの女装姿の表紙写真を見たら、アレ、なんか俺と似てるなと。冨永昌敬監督も、佑くんはそのままでいいからって(笑)」
そう話すのは、映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』(3月17日全国ロードショー)に主演する柄本佑(31)。
「原作を読んで思ったのは、文体の魅力です。つかみどころのなさというか、大変そうなことを大変に書かなかったり。きっと困ってるし、いろいろ考えてるんだろうけど、他人から見てそれがわからないようにしようという、熱量のあり方が非常に面白くて」(柄本・以下同)
荒木経惟、南伸坊、赤瀬川原平など気鋭の文化人を起用する一方、発禁と創刊をくり返し、愛人問題やあやしい投資話で莫大な借金を背負う末井の人生をどう演じたのか。
「前半部分は青春映画。現代の末井さんに近づくにつれて、モンスター化していくという。まわりから見て何考えてんだかわからない人にしようとは、監督と話し合いました」
時代背景となる'60年代からバブル期の空気を知るために参考にしたことは?
「特別ないですね。ただ、高校のころから名画座に行ったり昔のロマンポルノにハマっていたので、自分が憧れているものに感覚的に近いのかも。劇中に当時のキャバレーのシーンがあるので、映画『キャバレー日記』は見直しましたが何度見てもむちゃくちゃに面白ぇなと。参考というより、1回多く見ただけという(笑)」
現場に来た末井自身の前で演じることもあったという。
「撮影前に末井さんとの飲み会がありまして。