(台北 20日 中央社)自由で開放的になってきたといわれる台湾社会だが、教育団体などが行った調査で一部の学校には時代に逆行するような不思議な校則が依然存在していることがわかった。同席した立法委員(国会議員)らは教育部に対して全国統一基準の制定を求め、生徒の権利を保障したいとしている。
中国時報など複数の台湾メディアが伝えた。

野党、民進党の鄭麗君、尤美女両立法委員や人本教育基金会などは19日、記者会見を行い、「全国時代はずれ校則」の調査結果を公表した。この中で、台北市立建国高校や台北市立第一女子高校、国立台中女子高校などの有名進学校を含む学校で、生徒の言論や感情の自由、基本的人権を制限する校則が見られるとしたほか、教育部は今年9月に1カ月以内に校則の調査や審議、検討を行うとしていながら、現在もなされていないと指摘した。

“時代はずれ”とされた校則としては、新北市竹林高校の「女子のスカートは膝上まで短くした場合は処罰」、同市秀峰高校の「気温が12度以下にならない限り、(学校指定ではない)個人のコートは着用不可」などが挙げられた。また、竹林高校では先週、校長が生活指導の一環として、校内恋愛を見つけて告発した者には報奨金を出すといった同級生の裏切りを奨励するかのような制度を打ち出し論争が巻き起こったケースも報告された。

このほか、校内恋愛が見つかった際に連帯責任を取らされる場合や、ラブレターはおろか手紙のやり取りすら禁じている学校のほか、彰化県の正徳高校では校内での男女間の距離は100センチ以下に近づいてはならないとするもの、校内の随所に監視カメラを設置しているところもあるという。


一方、教育部によるとすでに20校から違憲や人権規約に違反する疑いのある校則があるとする申告が寄せられており、今月22日に会議を開き、月末を目途に各校に改善を要求したいとしている。

(編集:齊藤啓介)