(台中中央社)日本統治時代に建設の建物を活用した中部・台中市政府警察局豊原分局の社口派出所庁舎が、先月27日までに、社団法人高雄市建築経営協会が主催する建築賞「建築園冶奬」を受賞した。古い建物を再生したことが評価された。
同分局の林大為分局長は4日、歴史的空間がこれからも社会機能を果たしていくことを願うと語っている。

社口派出所の前身である社口警察官吏派出所は1903(明治36)年に設置された。当初の建物は35(昭和10)年の新竹・台中地震で大きく損傷した。その後鉄筋コンクリート造りに再建された。2024年にはこの建物を残した上で地上3階建ての建物を増築した新庁舎が完成した。

古い建物は資料や写真を基に修復を実施。正面玄関には西洋風の円柱が立ち、持ち送りに支えられたひさしの上には胸壁が取り付けられている。壁面は洗い出し仕上げで、一部には溝の入った黄褐色の筋面タイルが張られている。

1階部分は事務や市民応対のスペースとして使われている。警察側は新庁舎について、貴重な歴史や記憶を残すとともに、派出所の運営と治安維持のニーズを満たしていると説明。林分局長によると、供用開始後には学校の子供たちが見学に訪れているとし、防犯イベントを行うなどして地域住民との交流を図っているという。

(郝雪卿/編集:齊藤啓介)
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