(台北中央社)最大野党・国民党の朱立倫(しゅりつりん)党主席(党首)は23日、台北市内の中央党部(党本部)で会見し、同日投開票された同党立法委員(国会議員)7人に対するリコール(解職請求)の是非を問う住民投票で、全てが不成立となる見通しになったことについて、「今回の住民投票の結果は、おごる政権に対して人民が警鐘を鳴らした」とし、「台湾は二度と空転してはならず、分裂してはいけない」と語気を強めた。

朱氏は、頼清徳(らいせいとく)総統が昨年5月に就任して以来、台湾の発展は停滞していると強調。
この1年間の空転や無駄なエネルギーの消費で失ったのは時間だけでなく、台湾人の未来に対する自信だと語り、分断した台湾に真の勝者はいないと指摘した。

その上で頼政権に対して、経済の立て直しや生活の支援実施と密室協議の停止▽エネルギーの安全性と強靭(きょうじん)性の再構築による台湾の生存と発展の確保▽司法への政治介入の停止による司法権の独立回復▽権力分立の回帰による独裁的な憲政体制への動きの停止▽社会の分断・対立の終了による団結の回復―などの改革を呼びかけた。

また政治対立をあおるのをやめ、災害支援や経済復興など国民に利益と幸福をもたらす任務に全力で取り組むべきだと語った。

その上で、今後政府への監督を強化し、2026年の統一地方選挙や政権奪還が懸かる28年の総統選挙に向け、盧秀燕(ろしゅうえん)台中市長に次期党主席就任を要請。冷静で堅実、優しい盧氏は、国民党や台湾に必要なパワーだと語った。

(王承中/編集:齊藤啓介)
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