(台北中央社)与党・民進党の元党員4人が中国のスパイ行為に関与したとして、国家安全法や国家機密保護法違反の罪に問われた裁判で、台湾台北地方法院(地裁)は25日、主犯格の被告に懲役10年、その他3人の被告に懲役8年2月、同6年2月、同4年の判決を言い渡した。

検察の調べによると、主犯格の被告は、中国でビジネスをしていた2017年から中国の情報機関に取り込まれ、台湾で政治関連の情報を収集。
その後、民進党職員だった別の被告を取り込み、2人で計829万4424台湾元(約4050万円)の報酬を得た。また元総統府職員の被告と元外交部長(外相)秘書の被告から、頼清徳(らいせいとく)総統が副総統時代の外国訪問に関する情報を含む機密を入手したとされる。

4人のうち2人は犯行を否認したが、合議法廷は証拠資料などから4人が国家機密保護法や国家安全法、マネーロンダリング防止法(洗銭防制法)などに違反した犯罪の嫌疑が重大だと判断。逃亡や証拠隠滅、共犯者や証人との口裏合わせの恐れがあり、勾留が必要だとした上で、接見や通信、物品の受け取りを禁止していた。

台湾台北地方検察署(地検)は、台北地裁の判決文を受け取った後、上訴するか検討するとした。

また主犯格の被告については、中国のための組織立ち上げや発展に関与したとして、台湾高等検察署(高検)が懲役12年を求刑しており、台湾高等法院(高裁)が審理を行っている。

(劉世怡、謝幸恩/編集:齊藤啓介)
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