こだわって育児をしているのに、義母に否定され、貶されて......。

疲れ切った若い母親はその日、見知らぬ女性に声をかけられた。

北海道在住の40代女性・Nさんがまだ新米ママだったころの思い出。

<Nさんからのおたより>

「えっらいわねぇ~!」

いきなり知らないご婦人に言われて面食らった。

あれは長男が1歳になったばかりの頃、買い物に行った百貨店の化粧室での出来事だ。

わたしはまだ24歳。初めての子育て、家庭を顧みない夫、慣れない田舎暮らし、同居し始めたばかりの義両親との毎日に疲弊しきっていた。

息子と母親の子供を代わるがわる見て

「ほんっとに偉いわねぇ~」

上品なご婦人は、息子とわたしの顔を代わる代わる見て、また言った。

「いまどきのお子さんは、2歳になっても3歳になってもオムツしてるじゃない。この子何歳? 1歳位? トイレでオシッコできるの?すごいわね~! 偉いわね~!」

わたしは熱いものが込み上げ溢れそうになるのを抑え、がんばって「ありがとうございます」とだけなんとか言えた。

褒められたのなんて久しぶりだった。毎日、キツい北海道弁で「そんなやり方ではダメだわ」と、信念を持って臨んだ子育てを否定され続け、身も心もクタクタになっていた。

食事の内容にこだわりおやつを与え過ぎないようお願いする、嫌がる息子に歯磨きをさせようとする、その度、「うちではそんなことはやらなかったが子供たちは国立大学を出た」「私の子育ては社会が認めている」......義母の口癖に、若いわたしはただ黙るだけだった。

そんな毎日だったがめげずに、わたしは息子が1歳になったらすぐにトイレトレーニングをはじめた。

息子はよくがんばって、すぐにオムツを卒業した。

そんな頃の、久々のお出かけでのひとコマだった。

婦人が続けた励ましの言葉

優しいご婦人は続けた。

「大変なことも多いでしょ。でもね、しっかり見てないと、すぐに大きくなっちゃうのよ。偉いわね。ちゃんと育ててる! がんばってね」

そして去って行かれた。

お優しいご婦人へ。

あの時の息子は、国立大学ではないけど、自分の力で東京の大学を卒業し、胸を張って北海道に帰ってきました。

立派な会社に就職し、人の痛みのわかる、優しい青年に成長しましたよ。

あなたの言葉のおかげで、あの時の若い母親はどんなに支えられたことでしょう。

わたしも随分歳を重ねました。

頑張ってるママを見かけたら、上手に声をかけてあげてみたい、優しさを繋げたいといつも思っています。

心から、ありがとうございました。ご健康を、お祈り致しております。


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