これに対し、コンクリート2次製品メーカーのホクコンと福井大、若狭湾エネルギー研究センター3者が共同開発した防火水槽の新しい融雪システムは、冬季でも10℃前後ある水槽内の水の熱を「ヒートパイプ」という装置で取水口部分に運んで雪を溶かすため、融雪で悩まずに済むことになるというもの。
従来の金網の毛細管作用で液体を循環させるウイック式などに比べ、パイプの上下位置やパイプの太さなどに影響がないのが特徴という。
今冬、防火水槽の鉄蓋(ぶた)周辺の融雪に使用した実証実験を行い、従来型に比べ2倍以上の熱輸送効率を確認したもので、鉄蓋枠の温度は雪が解ける0度以上を維持し、凍結防止の効果もあったとのこと。
また同センターは今後、地中熱源を利用する冷暖房システムなど、さまざまな用途の開発を進める方針だ。
もともと、文部科学省の都市エリア産学官連携促進事業などの補助を利用して20年度から3カ年計画で研究開発を進めていたもの。
省エネに効果もあり、この先の利用拡大に期待したい。
(財)若狭湾エネルギー研究センター通知