乃木坂46やモーニング娘。
E-girlsといえば、Dream、Happiness、Flowerといったユニットのメンバーを中心に構成されたグループ。一部オーディションでの選出メンバーを除いて、基本的にEXILEのリーダー・HIROが社長を務める芸能事務所LDHが運営するダンススクールEXPGの生徒が多い。しかし、Dreamの4人についてはまったく異なる経歴を持っており、紆余曲折を経て、今の姿がある。
Dreamが結成されたのは1999年のこと。当時は小文字で「dream」という表記だった。メンバーは、avexの松浦勝人社長の肝いりで行われたオーディション「avex dream 2000」のグランプリ3人。そして2000年1月1日にCDデビューを果たしたのだが、当時は後藤真希加入直後のモーニング娘。が一大センセーションを巻き起こしていた時代。なかなか思うような結果は出せなかった。
そんななか02年に大変革を迎えることとなる。
「もともとデビュー当時のdreamは、アイドルでもアーティストでもないような存在だったんですが、新メンバーを大量加入させたことで一気にアイドル路線にシフトします。明らかにモーニング娘。を意識したものになっていましたね」
それでも全く売れなかったdream。活動の場は音楽以外の場所へと移行していくことに。
「2003年くらいから、芸能人女子フットサルが盛り上がり始めるのですが、dreamのメンバーは『TEAM dream』というavexのチームの主要メンバーとして参戦していました。当時dreamとしての活動は、ほぼフットサルのみという状況で、メンバーたちも疑問を抱いていたようです」(前出アイドルライター)
実際に、DreamのAmiは、レギュラー出演しているフジテレビ系『バイキング』の中で、「フットサルばかりやらされていた」と、苦い思い出として当時を振り返っている。また、「an・an」(マガジンハウス)14年2月5日号では、デビュー1年目から頻繁にテレビに出ているE-girlsの後輩たちに対し、「でもいいよねー。私たちの学生時代は、『おまえらいつテレビ出るんだよ』みたいな」と発言。
しかし、芸能人フットサルが下火になると、活動すらままならなくなるdream。avexからフィットワンへと移籍し、「DRM」と改名。ライブ活動も行っていたが、それでもやはり結果は出なかった。
今年11月に発売されたシングル『ダーリン』にカップリンとして収録されている「Unbelievable」という曲はメンバーのErieが作詞しているのだが、実はこのフィットワン所属当時のことを書いているのだという。音楽専門誌「WHAT'S IN?」(エムオン・エンタテインメント)14年12月号のインタビューで、Erieはこう明かしている。
「実は2番の歌詞は、昔に前の事務所で"解散"って言われたときのことを書いてて。すごく落ち込んだんですけど、その会議が終わったあとに、"やっぱそうか"って」
さらにAmiはこう続ける。
「『はい、きましたー』って爆笑してた。あははは。忘れてたよ」
普通、事務所から解散を告げられたら、落ち込むものだが、なぜだか爆笑してしまったという彼女たち。完全に諦めていたという状態なのだろうか。
「なんだかんだでメンバーたちも解散話に落ち込んだと思うのですが、Amiは"仕方ないか"っていう感じだったみたいですよ。というのも、当時Amiは吉本所属の人気若手芸人と付き合っていたんですよ。元々Amiはお笑い好きで、劇場にも通っていました。あと、同じDreamのAyaが『よしもとファンダンゴTV』というCSチャンネルでレギュラーを持っていたこともあって、芸人とはガッツリ繋がっていたんです。でまあ、グループにいる限り自由に恋愛もできないですし、解散だというのなら、そのまま恋に生きようという感じだったんだと思いますね」
しかし、当時の「DRM」はそこで解散はせず、EXILEのリーダー・HIROに拾われる形でLDHに移籍する。ちなみにLDHは「Love」「Dream」「Happiness」の頭文字を取ったもので、HIROは「Dream」という名前のグループを所属させたいという気持ちから、Dreamを移籍させたのだという。
その後、2011年にE-girlsが結成され、いよいよブレイクするのだが、ここでもまたAmiの恋愛問題が浮上してきたという。前出の芸能関係者が語る。
「AmiはLDHに移籍してからも吉本の若手芸人と付き合っていました。ただ、E-girlsとして売り出すにあたって、HIROはそれを良しとしなかった。
その若手芸人は、劇場レベルでは人気があるというが、テレビにはほとんど出演していないという。
「Amiにとっても、E-girlsでのデビューは、売れる最後のチャンスですから、もう腹をくくったのでしょう。HIROに逆らったりしたら、干されるという恐怖もあったでしょうし」(前出芸能関係者)
結果、E-girlsはブレイクした。デビュー当時から見てきたというAmiファンはこう喜ぶ。
「あの中島麻未(Amiの本名。デビュー当時はこの名前で活動していた)が、E-girlsの真ん中でパフォーマンスしているというのは感慨深いです。あの頃は、むしろ賑やかし要員だったのに......。あそこでふんばって、HIROに出会えて、本当に良かったですよ」
ドン底から紅白出場にまでのぼりつめたAmiのがんばりには素直「おめでとう」と祝福したい。ただ、別れた若手芸人はどう思っているのか、気になってしまうところだが......。
(田中ヒロナ)