
■米で撮影の映画に志願「あの作品で本当に良かった」
映像作品として初めて出演した映画、1996年の出演作「クリスマス黙示録」はアメリカのシアトルにて海外スタッフ・キャストにより撮影された。この作品で、天海は日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。
同作出演は、天海自身の希望だった。天海は「あえてその作品を一番最初に選んだんです」と打ち明け、「誰も私を知らない、これが今の私なんだって、自分はまだまだだっていうゼロの地点に立てた気がして。最初の作品が海外で撮影する作品で本当に良かったと思っています」と振り返った。
冷酷非道な小学校教師・阿久津真矢を演じた2005年のドラマ「女王の教室」は、天海の代表作の一つ。一見怖い真矢の本心が描かれるにつれ、子どもたちの中で「阿久津先生はいい先生だと思う」という声が上がり始め、小・中学生から手紙を受け取るようになったという。
「いただいたお手紙の中に『真矢先生、助けてください』っていうお手紙があって、それは本当に心が痛かったですね。私も学校で嫌な思いをしている、阿久津先生に怒ってもらいたい、と。ああいうのはつらいですね」と打ち明けた。
■「あんな悔しい思いはしたくない」と思った経験
役作りでは、台本をベースに客観的なストーリーの流れとキャラクターをとらえ、その後でセリフを覚えていく。だが「きっちりお芝居を作っていってしまうと相手の役者さんと合わせる時に余裕がなくなる」とも話し、現場での共演者との"かけ引き"も大切にしている。
10月30日公開の映画「老後の資金がありません!」にも、そんな"かけ引き"がちりばめられている。「一番顕著に面白かったのは...」と例を挙げたのは、天海と松重豊、若村麻由美、石井正則がテーブルを囲んで家族のお金の問題について意見を戦わせる場面。
天海はこのシーンを「あそこはみんながお互いなにげなく顔を見合いながら...」と振り返り、「若村麻由美ちゃんとは本当に仲がいいので、お互い気にせずガンガン行きました」と茶目っ気たっぷりに明かした。
「日々反省します。1作品できあがったものを見て『はぁ~』って思うことばかりです。でもその反省がなくなったら、『私最高、私完璧』って思うようになったら女優をやめるべきだと思います」と、演技に対して常にストイック。求める理想が高いゆえに、完璧な演技はまだできていない、という。
30代の頃には、自分の演技に納得できず、「夜中に悔しくて泣いた」ことも。「私の方が強く出なければいけないところで、心の部分で(共演した)役者さんに負けていたなと感じた」ことが悔しくてたまらなかったという。番組は高視聴率を獲得したが、「こんなダメなお芝居でこんな数字を取っちゃいけない」と、それがまた悔しかった。「あんな思いは二度としたくない」という思いが、演技への厳しさつながっている。
■「落ち込むことは大事。
上品ながらもさっぱりした語り口そのままのキャラクターで、プライベートでも多くの友人に慕われている。
仲のいい友人マツコ・デラックスとの交友関係の始まりは、天海自身の"ナンパ"だったという。「番組を見ていて、なんて頭がよくてお話の面白い方だろうと思って、私がナンパしたんです。お友達になってください、って」とニコニコ打ち明けた。
吉永小百合には"アニキ"、内田有紀には"姉さん"と呼ばれ、映画「老後の資金がありません!」で主題歌を担当する氷川きよしとも仲良し。氷川はVTR出演し、天海との出会いについて「最初は緊張していたんですけれど、すごく気さくでざっくばらんな方なので、だんだんこっちもなついてきまして。それから電話で相談したり、悩みを聞いてもらいました」と話した。
そんな天海も、かつては落ち込むことがあったという。「落ち込むことは大事なことだと思っていて。なぜ落ち込んだのかを分析すると、できないことへの悔しさやいら立ちが必ずあるんですね」と話し、「でも、もし対処できない落ち込みなら、どうしようもないので落ち込むのをやめる」とキッパリ。視聴者からも「カッコいい!」「本当に憧れます!!」の声が上がっていた。
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