和歌山市でてんかんの発作で意識障害に陥るおそれを認識しながら車を運転して事故を起こしたなどとして危険運転致死傷の罪に問われた女(56)の裁判がはじまりました。

 この事件は、女がいったん不起訴となり、検察審査会の議決、再捜査を経て発生から5年後の裁判となっています。

 初公判で弁護側は無罪を主張しましたが、事故で当時22歳の娘を亡くした父親は「相手に悔やんでほしい結果がつくことを願います」と胸中を語りました。

「親として宝物」事故で22歳で亡くなった汐里さん

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 娘の遺影に手を合わせる竹田さん夫妻。5年前、22歳だった次女の汐里さんを失いました。

「お別れも言えず突然…娘は顔じゅう傷だらけ」多重事故に巻き込まれ22歳の娘が死亡 一時は“不起訴”も5年経て女の初公判 被告は無罪主張「てんかんではないと…」遺族の思いは【裁判詳報】
MBS

(汐里さんの父・竹田正義さん)
「事故の前の成人式のときの写真になります。ほんとうに人に恨まれないし、(誰かが)いじめられていたらその子のそばに寄る。親として宝物、もうぜったい宝物

被告の女(56)「てんかんの発作による意識障害」で多重事故か

「お別れも言えず突然…娘は顔じゅう傷だらけ」多重事故に巻き込まれ22歳の娘が死亡 一時は“不起訴”も5年経て女の初公判 被告は無罪主張「てんかんではないと…」遺族の思いは【裁判詳報】
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 2021年7月、和歌山市の紀の川大橋で多重事故が発生。対向車線からはみ出してきた車が汐里さんが運転していた原付バイクにぶつかり、汐里さんは死亡しました。

 その車を運転していたのが西馬淳子被告(56)でした。

 起訴状によりますと西馬被告はてんかんの影響で正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で乗用車を運転。橋の上でてんかんの発作による意識障害の状態に陥り玉突き事故を起こし、その衝撃で汐里さんの原付バイクにぶつかり、汐里さんを死亡させたなどとして危険運転致死傷などの罪に問われています。

お別れも言えずに突然別れなあかんのか」しかし被告は『嫌疑不十分』

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MBS

(汐里さんの父・竹田正義さん)
娘は顔じゅう傷だらけ、手を触ればぬくかったので『眠っている』とは言わないけど、『これ、娘か?ほんまに?』というような。なぜ娘がこういう形で、お別れも言えずに突然別れなあかんのか

 しかし、和歌山地検は2022年西馬被告を 嫌疑不十分で不起訴としました。

「すべて夢も希望も閉ざされた」望みかけて検察審査会に申し立て

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(汐里さんの父・竹田正義さん)
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(汐里さんの母・竹田典子さん)
「(娘は)生きたかったであろうに、すべて夢も希望も閉ざされてしまいました

 竹田さん夫妻は、最後の望みをかけて検察審査会に申し立てました。

検察審査会「危機意識が甘すぎると評価せざるをえない」

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 検察審査会は西馬被告が事故前に医師から2回「車の運転は禁止」と注意されていたことなどから、「自動車運転に対する危機意識が甘すぎると評価せざるをえない」と判断。「不起訴は不当」と議決したのです。

 和歌山地検はこれを受けて再び捜査した結果、2024年、西馬被告を起訴しました。

事故から約5年…始まった初公判「自分はてんかんではないと思っていた」

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 事故から約5年、6月1日、ようやく初公判が始まりました。

 起訴内容について、西馬被告は、事故を起こしたこと自体は認めましたが・・・

(西馬被告)「自分はてんかんではないと思っていた。運転しているときに意識障害が起きるとは思っていなかった」

 弁護側は無罪を主張しました。

検察は『主治医にはてんかんのことを言わないでほしい』と夫に連絡していたと指摘

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 一方、検察側は冒頭陳述で、

「被告は夫に対しLINEで『主治医にはてんかんのことを言わないでほしい』などとメッセージを送信していた」

「被告は事故の直後、同乗していた姉の問いかけに対し『てんかんよ』と答えた」と主張しました。

「相手に悔やんでほしい結果がつくことを願います」

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 次女を失った父・正義さんは……

(汐里さんの父・竹田正義さん)
「きょう初めて相手の被告と面識して(直接会って)、最初は一般席には頭を下げましたが、私には頭を下げてくれませんでした

「まだ意識障害がないと言っているところが、ほんとうに自己保身。私にも家族がございますし、泣きたくても泣けない状況がございます。そういう面では相手に悔やんでほしい結果がつくことを願います

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