北中米W杯の日本代表に、ジュビロ磐田でプロキャリアをスタートさせたFW小川航基(28)=NEC=、DF伊藤洋輝(27)=バイエルン=、FW後藤啓介(20)=シントトロイデン=が選出された。小川は5月31日のアイスランド代表戦で決勝ゴール。
山田CROはドイツ2部・カールスルーエから2017年に磐田(当時J1)へ復帰した。24年の現役引退まで8季にわたってプレーした中で、3選手と時間をともにした。
小川は桐光学園高から16年に加入。水戸への育成型期限付き移籍(19年)を経て、磐田に復帰した20年、21年をともに過ごした。「誰よりも自分を信じ抜く強さを持っていた」と回想した。
ストライカーとしての魅力を「90分間、ゴールのことを考えている」と表現。共闘した時は「ビルドアップのことも少し考えてほしいと思ったことはありました」と苦笑いで振り返る。ただ、現日本代表コーチの前田遼一氏(44)から「相手センターバックにとって嫌なのは、ゴールを狙い続け、嫌な場所にいる選手」と言われ、考えが変わったという。「味方がやりやすい選手もいるし、相手が嫌がる選手もいる。(小川)航基は後者だった」。
最も成長を感じたのは人間性だった。
「練習試合で点を取っても先発では出られない。それでも最後の5分出て、チームのためのプレーをする必要があった」。本来ならゴールだけを狙うストライカーが、リードしている終盤にはコーナー付近で時間稼ぎのボールキープに走った。「結果が出ている時は自信を持てる。でも、出ない時は『ここでは通用しないのかな』と感じることもある。僕もそうでした。でも(小川)航基は、そういう状況でも自分を信じ抜ける強さがあった」。
伊藤はユース育ちで17年にトップチームへ昇格。19年の名古屋(J1)への期限付き移籍を経て、20年に再びクラブへ戻った。21年にドイツ1部シュツットガルトで海外キャリアをスタート。「高いポテンシャルに加えて、継続してやり続ける力がある。ぶれずに淡々と積み重ねられるのが彼の良さ」と評価する。
高校時代から海外で活躍することを目標にしており、語学習得に加えヨガにも取り組んでいた。「精神面でいうと弱いタイプでもなかったが、強くもなかった」。ただ、自身を客観視する能力と継続力を持っていた。精神的にタフな選手となり、成長につながっていたという。
期限付きで名古屋に移籍したことで大きく進化した。
寡黙そうに見えるが、周囲への気遣いや地元への思いも強い。21年にドイツでプレーを始めてから3年後、山田氏が現役引退した際には、生まれ年の高級ワインを贈ってくれた。「そういうことをしてくれるようになったんだと思いました。ちょっと高級なワインすぎて、いつ飲むのがいいのかわからない」と笑う。2人は同じ浜松市生まれで、山田氏が活動している子ども食堂運営や生活困窮家庭の支援などに取り組むNPO法人「ReFrame」に対しても「僕にもできることがあったら、いつでも声をかけてください」と、クラウドファンディングへの協力やスパイク提供など、地元愛の強さを見せている。
後藤は伊藤と同じくユース育ち。「未熟な部分も含めて彼の魅力。純粋にサッカーが大好きということが伝わってくる」と、愛情をにじませた。
サッカー愛の強さを感じている。
最後に3選手へエールを送った。小川には「こだわってきたゴールを、一つでも多く取ってきて」。伊藤には「2回目のW杯。プレーだけでなく、周りにもいい影響を与えてほしい」。後藤には「試合に絡めるか分からなくても、その経験は必ず成長につながる。今後につなげてほしい」と期待を込めた。

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