育児にも奮闘中のアナウンサーや記者が、子育てのリアルな疑問を深掘りする「ぼちぼち子育て」。今回のテーマは子育てをするために大切なポイントとなる「産後の夫婦関係①」です。

産後、多くの夫婦が直面するとされるのが関係性やコミュニケーションの変化です。ケンカが絶えなくなった、パートナーにイライラする…という経験がある人も少なくないと思います。

なぜ赤ちゃんが生まれて幸せいっぱいのはずの夫婦に危機が訪れるのでしょうか。

危機に陥るメカニズムや危機を乗り越えるためのカギとなるコミュニケーションについて、臨床心理学が専門で、カップルの改善支援に取り組む立命館大学の三田村仰教授に話を聞きました。

なぜ急落?妊娠期~乳児期の配偶者への愛情

妻の愛情が産後に激減…「夫への愛情」妊娠期74%→2歳時には...の画像はこちら >>

子どもの誕生は大きな喜びである一方、夫婦関係にとっては大きな転換点となります。

例えば次のような事例-。

【30代の夫婦(4歳・0歳の子ども)の場合】
妻によると、赤ちゃんが生まれて2か月後に、夫が10日間の出張に行かざるを得なかったことをきっかけに関係が悪化。
妻は「夫の仕事を応援したい」と出張自体には理解を示していたものの、出張から帰ってきた夫が、いかに仕事が大変だったかということを楽しそうに話す様子を見て悲しくなった。

三田村教授は、よくある事例だとしたうえで、夫婦やカップルから親になる「親への移行期」と呼ばれる時期は、夫婦関係が危機に陥りやすいと説明しました。

配偶者への愛情は妊娠期以降は下がり続ける?データで見る産後危機

妻の愛情が産後に激減…「夫への愛情」妊娠期74%→2歳時には34%になるワケ 『産後クライシス』 実態を心理学の専門家に聞いてみた【ぼちぼち子育て・産後の夫婦関係①】
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ベネッセ総合教育研究所によると、配偶者(パートナー)への愛情を実感する割合は、妊娠期から子どもが2歳になるまでの間に男女ともに下がり続けるという結果が出ています。

特に女性側の落ち込みが顕著で、妊娠期には74.3%だった割合が、子どもが2歳になる頃には34.0%まで激減するということです。

産後の夫婦のすれ違い 背景にあるのは…

妻の愛情が産後に激減…「夫への愛情」妊娠期74%→2歳時には34%になるワケ 『産後クライシス』 実態を心理学の専門家に聞いてみた【ぼちぼち子育て・産後の夫婦関係①】
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三田村教授によると、そもそも夫婦やカップルの関係というのは、放っておくと下がっていく傾向にあるといいます。そのうえで産後、夫婦が危機に陥りやすい背景には、急激な環境の変化と、男女間での体験のギャップが背景にあると説明しました。

①環境の変化
急激な環境の変化は、これまで2人だけだった関係の間に、1人重要な存在が挟まることで、夫婦の関係性自体を再構築しなければならない状況になることを指します。当たり前のことのように思うかもしれませんが、この変化に追いついていけるかどうかが大きな鍵だということです。

②男女間の体験ギャップ
そして、男女間での体験のギャップについては、出産を経験する女性は、自身の体やホルモンの変化もあって、危機のシグナルを察知しやすいほか、授乳や産休の取得などで生活やキャリア、リズムが一変しやすい傾向にあります。

良好な関係、保つカギは『感情を互いに共有し合える』かどうか…

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(三田村教授)
「妊娠中に『本でも読もうかな』『産後はこれをしようかな』と思っていても、実際には全く頭が回らずに何もできない、しんどすぎるということがよくあります。人間はロボットではないということを身をもって知るわけです」

加えて男女問わず、家事や育児をメインで担う側と、サポートや仕事に比重を置く側との間に生じる「見えないタスク」の把握のズレが、精神的なすれ違いを拡大させてしまうという背景もあります。

三田村教授は、こうしたカラダや環境、状況を踏まえ、日々の大変さやイライラといった感情を互いに共有し合えるかどうかが、良好な関係を保つカギとなると教えてくれました。

MBSは皆さんの育児を応援する情報をお伝えします!

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【ぼちぼち子育て】
核家族化や地域のつながりの希薄化によって、現代の子育ては「孤独」を感じやすいと言われています。
今回MBSでは、母親でもある2人の記者が子育てをするなかで、ふと感じた疑問や不安について情報発信する「ぼちぼち子育て」というコーナーを企画しました。
スマホを片手に“孤育て”をしているパパやママに少しでも役立つ情報を届けていきます。
悩んでいるのはあなただけではありません。肩の力を抜いて、一緒に「ぼちぼち」子育てをしていきましょう!

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▼解説
三田村仰さん(立命館大学総合心理学部教授、臨床心理士、多くのカップルの関係改善に向けた取り組みを支援)

▼記者・アナウンサー
・大村浩士(MBSアナウンサーとしてスポーツ中継やMBSベースボールパークなどを担当。子どもが生まれたばかりの新米パパでもある。育児と夫婦生活のリアルに直面中。果たして我が家は無事に“産後”を乗り越えられるのか――。)

・岡山友美(事件や医療などの担当記者を経て、昨年からMBSのWEB配信を担当。

2020年コロナ禍に長男を出産し、スマホを片手に“孤育て”を経験。神経質になりすぎた長男の育児を反省する一方、次男の育児についてはおおらかすぎるのでは?と悩んでいる)

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