■のん、1部はアコースティック、2部はバンド編成と内容の異なるライブパフォーマンスを披露!

【画像】のん『おうちで観るライブvol.』の様子(写真全12枚)

のんが、無観客配信ライブ『NON OUCHI DE MIRU LIVE(#のんおうちで観るライブ) Vol.8』を5月4日に開催した。
のんの無観客ライブは、昨年2月29日、自身が主宰する音楽フェス『NON KAIWA FES vol.2』が最初。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、いち早く無観客形式に切り替え、後日MTVにて放送した。

同年、5月5日にはギタリストのひぐちけいとともに無観客配信ライブシリーズ『NON OUCHI DE MIRU LIVE(#のんおうちで観るライブ)』がスタート。以来、ユウ(チリヌルヲワカ)、柴田隆浩(忘れらんねえよ)、大友良英やSachiko Mらをゲストに迎え、ほぼ月に1回ペースで開催。

12月には「のんとも。M(のん/大友良英/Sachiko M)」名義で新アルバム発売記念ライブ、2月には東京と岩手で二元中継した東日本大震災復興応援コンサートも行った。

この日の『おうちで観るライブ』は1周年を迎え、通算10回目となる記念ライブということもあって、第1部と第2部に分けた特別編成で実施された。


■『おうちで観るライブvol.8 第1部「アコースティックでまったり配信」』
第1部『アコースティックでまったり配信』は、メンバーになかむらしょーこ(b)、ナガシマタカト(ds、per)が入ってのアコースティックスタイルの4人編成。

ひぐちけいのアコースティックギターがじゃらんと鳴り、パーカッションのナガシマタカトの1、2、3のカウントが入って、第1部は「わたしは部屋充」で幕を開けた。

『のん おうちで観るライブ』は、毎回披露されるのんの衣装にも注目が集まる。この日は第1回のおうちライブで着用したウェスタン・ルックの衣装を踏襲。1周年記念オリジナルTシャツに、レザー製フリンジのサスペンダー。チェックと花柄のマキシスカート。
耳元にはビーズで作った花をモチーフにした三角形のイヤリング。配信画面には

「今日もかわいい!」
「イヤリング欲しい!」

と視聴者からのコメントが並ぶ。メンバーもオリジナルTシャツにスカーフを巻いて、ウェスタンルックの世界観を共有。

「あなたのおうちがライブ会場だ! をテーマに1年間、10回ライブやってまいりました! 第1部は、まったり思い出話に花を咲かせながら送らせていただきます!!」と、のんからの開会宣言に続いては「I LIKE YOU」。2017年にリリースしたのんのデビューEP『オヒロメ・パック』に収められたRCサクセションのカバー曲だ。デビューEP収録版と違って、しっとりしたボーカルを聴かせるアコースティックアレンジで演奏される。


ここで、画面にはこれまでの『おうちで観るライブ』の画像が映し出され、ひぐちけいと共に振り返るトークコーナーに。『のん おうちで観るライブ』シリーズは、ふたりのまったりトークも人気のひとつ。ひとしきり、話しも盛り上がったあとは、『おうちで観るライブ』で生まれたのん作詞、ひぐちけい作曲のオリジナル曲「僕は君の太陽」へ。これまではのんとひぐちのギターだけで歌ってきたこの曲にパーカッションとベースが加わることで、グッと引き締まった。演奏が終わると、その出来にメンバーたちは「カッコいいね~!!!』と顔を見合わせた。

4曲目は矢野顕子忌野清志郎をイメージして、のんに書き下ろした「わたしはベイベー」。
2019年に日比谷野外音楽堂で行われた忌野清志郎トリビュートライブでは、矢野と共演も果たした想い出深い曲だ。原曲のピアノアレンジと違ってアコースティック編成にタイムラインでは

「雰囲気が変わってイイ!」
「このヴァージョンで音源化希望!」

と絶賛のコメントが並ぶ。

この日のライブのPAエンジニアを努めたのは数々のミュージシャンのライブやレコーディングに関わってきた名匠、DUB MASTER X。そんなDUB MASTER Xの作り出すサウンドが遺憾なく発揮されたのが5曲目の「エイリアンズ」。

ナガシマタカトがカホンを始め次々に繰り出すパーカッション群、なかむらしょーこが刻むアップライトベース、ひぐちけいの奏でるアコースティックギター。そして、直立姿勢でスタンドマイクに向かって囁くように歌う透明感あるのんのボイス。
そんな4人が紡ぎ出す音と声を溶け合わせ、あたかも静謐な教会の中で聴いているかのような奥行きと響きを感じさせるDUB MASTER Xの技は圧巻。「エイリアンズ」は間違いなく、この日のハイライトとなった。

ここで『のん おうちで観るライブ』の恒例企画、のん×ひぐちけいのバトルコーナーに。これは、これまでの『おうちで観るライブ』でのエピソードをクイズ形式で互いに出題し勝敗を競うもの。過去の対戦成績ではのんの敗けが続き、圧倒的に分が悪いがこの日は両者、3勝3敗のドロ―。最終ジャッジはタイムラインの書き込みから判断し、ひぐちけいの勝ち。
またしても、のんの敗けとなった。

ラストナンバーは1stアルバム収録の真島昌利書き下ろし曲「さぁいこう」。アコースティック編成ながら、原曲の持つロックンロール魂を受け継いだ豪快な演奏を聴かせる。サビの「さぁいこう!」では画面の向こうのオーディエンスも一緒に拳を振り上げる姿が目に浮かぶ。

全6曲の演奏を終えてのエンディングは恒例のもぐもぐタイム。この日のスナックは『のん おうちで観るライブ vol.1』でも出されたポテトチップスなどが各メンバーの前に出され、締めのお喋りトーク。そして前日、誕生日だったパーカッションのナガシマタカトへ、のんからバースデイケーキのサプライズがあり、ひとしきり、まったりしながら“トーク多め”の第1部が終了。

■『おうちで観るライブvol.8 第2部「バンド久しぶりだよ。クールにパワフルに。配信」』
20時から始まった第2部は、のんにとっても久しぶりのバンドとのパフォーマンス。ドラムののカウントから4人のメンバーの楽器が一斉に火を吹く。オープニングはのんが敬愛する元GO!GO!7188のアッコとユウ(チリヌルヲワカ)が書き下ろした「やまないガール」。

「いろんなものが中止になってしまいました。せっかくだから、この悔しさをみんなで一緒に吐き出しましょう! 騒げぇ!」と画面の向うにいるオーディエンスに向けて煽り、続く「スーパーヒーローになりたい」になだれ込む。第1部はトークの時間も多めに取られたが、第2部ではMC少なめでテンポよく演奏をしていく。

『のん おうちで観るライブ』は毎回のんが披露するコスチュームも人気。今回のテーマはvol.1時のウェスタンルックをアップデートした衣装。のんは白いフレア袖のロンTに、サイケデリックムーブメントのフラワーチルドレンを彷彿させるかぎ針編みのフラワーニットベストを纏い、黄色いフリンジのイヤリング。ボトムスはファイヤーパターンのサテンパンツ。

ひぐちけいもファイヤーパターンのレザーベストにウェスタンシャツとカウボーイルック。ドラマーのナガシマはウェスタンカラーシャツ、首元はバンダナ。ベーシストのなかむらはウェスタンシャツにスエード製のフリンジでできたケープを羽織る。メンバー4人でウェスタンの世界観を統一させた。

中盤には、のんが初めて作ったという「へーんなのっ」と、バディでもあるひぐちけいと初めて共作した「僕は君の太陽」。いずれも思い出深い楽曲を続けて演奏。「僕は君の太陽」は第1部でも披露されたが、それぞれアレンジが違い、どちらも甲乙つけがたい素晴らしさ。ひぐちけいは「小さいところにいたあの曲が、(バンドアレンジで)大きくなったよう!」と顔をほころばせる。

サポートで入ったナガシマタカトはひぐちけいを通じて知り合い、のんが監督・脚本・主演を努めた映画『Ribbon』の劇伴にも参加した。なかむらしょーこもひぐちけいの紹介で今回のライブに参加。ふたりとも、ライブでの共演はこの日が初めてながら、息のあった安定感ある演奏をした。ナガシマのズシンズシンと地響きを立てる重厚なドラミング、なかむらの地を這うような畝るベース。この強力なリズム隊が加わることで、のんとひぐちけいは水を得た魚のように、自由闊達に跳ね回る。さらにPAを担当したDUB MASTER Xの存在も大きい。配信の視聴環境がPCやスマホでも伝わるよう、奥行きがあるサウンドをていねいに作りあげる。

「ナマイキにスカート」では、この新加入リズム隊がディスコビートを刻んで炸裂。ひぐちけいの弾くオリエンタル風のギターリフと相俟って、80年代のディスコミュージックのような趣きに。このリズムに合わせ、のんもキュートなダンスを披露するとタイムラインには

「かわい!!』

のコメントが続々と寄せられる。

そして有観客ライブではおなじみのコールアンドレスポンスに。のんが「さーーわーーげーー!!!」と叫ぶと、オーディエンスはバンドが出す音に合わせて画面の向うで「おおおおおおーーー!!!』と応じる。完全リモートのコールアンドレスポンスだ。これにはのんも「うぉーきたーー! みんなありがと! じゃあ、みんなと繋がったのがわかったから、ラストに向けてこのまま行くよ!」と、2017年にリリースされたのんのデビューEP『オヒロメ・パック』に収められている「タイムマシーンにお願い/シブヤデアイマショウバージョン」に突入。なんと、この曲だけ、画面のスクリーンショットが解禁となり、SNSにはライブ写真が多数投稿された。

ステージ中央に仁王立ちし、トレードマークの赤いテレキャスターをかき鳴らしながら熱唱する姿はロックの神様が降臨したかのような、神々しさ。鬼気迫るパフォーマンスは、画面の向うをも圧倒したこと間違いない。のんの髪型がネオリーゼントスタイルでもあったせいかタイムラインには

エルヴィス・プレスリーに見えた!!」

という声に加え、

「のん史上最強・最熱のステージ」
「神がかってる!!」

と絶賛のコメントが並んだ。

この勢いを保ったままラスト2曲へなだれ込む。「涙の味、苦い味」ではドラムとベースのブルージィな重量感が際立つリズムでがっしりと支え、「わたしは部屋充」では原曲よりもテンポアップさせた超高速パンキッシュアレンジで一気に演奏。

「早くライブ会場で皆さんに会えるようになりたいですね!!」とライブはここで終了の予定であったが、画面の向うが異様なほどに盛り上がっていることがステージ上のメンバーにも伝播。急遽、アンコールに応じることに。とはいえ準備はしてない想定外のこと。緊急メンバー会議のもと、この日のベストアクトであった「僕は君の太陽」をもう1回、演奏して70分のステージを終えた。

PHOTO BY 南賢太郎(FOCUS STUDIO)

■『おうちで観るライブvol.8 第1部「アコースティックでまったり配信」』
2021年5月4日(火・祝)神奈川県内某所 17:00~
<セットリスト>
01.わたしは部屋充
02. I LIKE YOU
03.僕は君の太陽
04.わたしはベイベー
05.エイリアンズ
06. さぁいこう

■『おうちで観るライブvol.8 第2部「バンド久しぶりだよ。クールにパワフルに。配信」』
2021年5月4日(火・祝)神奈川県内某所 20:00~
01.やまないガール
02.スーパーヒーローになりたい
03.へーんなのっ
04.僕は君の太陽
05.わたしはベイベー
06.ナマイキにスカート
07.タイムマシンにおねがい
08.涙の味、苦い味
09.わたしは部屋充
[ENCORE]
10.僕は君の太陽

出演:
のん、ひぐちけい、
なかむらしょーこ(b)、ナガシマタカト(ds、per)
※のん衣装協力:TENDER PERSON

第1部「アコースティックでまったり配信」のアーカイブ視聴はこちら
https://speedylive-non.zaiko.io/_item/339275

第2部「バンド久しぶりだよ。クールにパワフルに。配信」のアーカイブ視聴はこちら
https://speedylive-non.zaiko.io/_item/339277

のん OFFICIAL WEBSITE
https://nondesu.jp/