「TPゴシック コンデンス」(長体率85%)
タイププロジェクト、初のゴシック体「TPゴシック」の長体シリーズの提供を開始
「TPゴシック コンプレス」(長体率70%)タイププロジェクト株式会社が、2024年3月に「TPゴシック コンデンス」と「TPゴシック コンプレス」の提供を開始しました。フォントのサブスクリプションサービス「TPコネクト」で使えるゴシック体「TPゴシック」の長体シリーズです。


【目次】

タイププロジェクト初のゴシック体がベース

「TPゴシック」は、タイププロジェクトの初のゴシック体のフォントとしてリリースされました。縦組みでも横組みでも使いやすく、汎用性が高いゴシック体です。年額30,000円(税込)で使えるサブスク型のフォントサービス「TPコネクト」から利用でき、UL(ウルトラライト)、EL(エクストラライト) 、L(ライト)、R(レギュラー)、M(ミディアム)、B(ボールド)の計6種のウエイトで展開されています。

タイププロジェクト、初のゴシック体「TPゴシック」の長体シリーズの提供を開始
ゴシック体は、大きな文字サイズで見出しとして用いられることが多い書体です。つまり「視覚的な歪みが目立ちやすい書体」とも考えられます。そこで同社では「ゴシック体のカテゴリーにこそ字幅軸が必要」との発想にたどり着き、今回の長体シリーズ「TPゴシック コンデンス」と「TPゴシック コンプレス」が開発されることになりました。

長体率が異なるコンデンスとコンプレス

「TPゴシック」が正体であるのに対し、「コンデンス」は85%、「コンプレス」は70%の長体です。正体より文字の幅が狭いため、横組みでは字間・縦組みでは行間の方向の省スペースにつながります。


タイププロジェクト、初のゴシック体「TPゴシック」の長体シリーズの提供を開始
左から「TPゴシック(正体)」「コンデンス」「コンプレス」長体に変形されていながらも、実用的な書体として必要な可読性は確保されています。ウエイトは「TPゴシック コンデンス」と「TPゴシック コンプレス」のいずれも、正体の「TPゴシック」と同じ6種類ずつが用意されました。

タイププロジェクト、初のゴシック体「TPゴシック」の長体シリーズの提供を開始
ULとELでは、これまでタイププロジェクトが得意としてきた “極細フォント” の制作のノウハウが生かされています。LとRは、長体であることが強調されすぎていないナチュラルな表情です。MとBは、ゴシック体らしく特に見出しで効果的に使えます。

両フォントのデザインには、欧文にも工夫が見られます。
落ち着いたオーソドックスなグロテスク系のサンセリフ書体が組み合わせられていますが、フォントの高さの基準となるエックスハイト(x-height)をやや高めにし、文字幅もやや狭めの設定です。これにより、欧文単体でも読みやすく、フトコロが引き締まった和文との相性も高められています。

サブスク形式の「TPコネクト」で利用が可能

「TPコネクト」で利用できる今回のフォントは、macOSでもWindowsでも使えるOpenType形式で提供されています。収録字数は9,499字(StdN)です。「TPコネクト」の契約者であれば、追加の料金を必要とせずに利用できます。

なお、「TPコネクト」は、タイププロジェクトが提供するさまざまなフォントを、年間定額で使えるサービスです。
「TPゴシック」はもちろん、「AXIS Fontファミリー」「TP明朝」「TPスカイファミリー」「純明朝」「SST JP」「TP国立公園明朝」「都市フォント」および「四季フォントシリーズ」の全ての書体ファミリーが使い放題となります。

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長体への変形は各種のアプリケーション上で行うこともできますが、あらかじめ長体として設計されたフォントと比べると、無理やりに加工したような不自然さが残りがちです。今回の「TPゴシック」の長体シリーズを使うと、しっかり可読性を保ったまま、限られたスペースに見出しを作りやすくなります。

タイププロジェクト株式会社
URL:https://typeproject.com/

2024/04/08

タイププロジェクト、初のゴシック体「TPゴシック」の長体シリーズの提供を開始