◆磯村勇斗主演「僕達はまだその星の校則を知らない」
同ドラマは独特の感性を持つがゆえに何事にも臆病で不器用な主人公が、少子化による共学化で揺れる私立高校にスクールロイヤー(学校弁護士)として派遣されることになり、法律や校則では簡単に解決できない若者たちの青春に、必死に向き合っていく学園ヒューマンドラマ。民放連続ドラマ初主演となる磯村勇斗が主人公の臆病なスクールロイヤー・白鳥健治(しらとり・けんじ)を、堀田真由が主人公にとっての良き理解者となるヒロインの国語教師・幸田珠々(こうだ・すず)を、そして、9年ぶりの民放連続ドラマ出演となる稲垣吾郎は2人が勤務する私立高校の理事長・尾碕美佐雄(おざき・みさお)を演じる。
◆視聴者に刺さるストーリー展開
健治がスクールロイヤーとして赴任した濱ソラリス高校は、男子校の濱浦工業高等学校と女子高の濱百合女学院の合併によって生まれた新しい学校。合併後、校内では次々と問題が勃発し、中でもジェンダーレスを意識した新しい制服の評判は悪く、着用を拒否する生徒もいるほどだった。 ジェンダーレス制服の導入に戸惑う生徒たち、不登校になった生徒会長と副会長。そして、制服を廃止するよう訴える声。 そこで健治は、“制服裁判”なる模擬裁判を提案した。
議長団・議長の北原かえで(中野有紗)は「髪型や服装は個人の自由で、憲法においても自己決定権や表現の自由が認められています。他人がこれを侵害することはできません。にも関わらず、我が校を含め、多くの学校には校則があります。しかも、“高校生らしい”とか、“適切な”といった曖昧な基準で」「清潔感や不快感はあくまで印象論です。わたしたちがこの規則を守らなかったからといって、『校則に違反している』と罰則を受けるのは、あまりに法的な根拠が弱すぎます」と主張。
さらに「自由がいいだなんて、本当にみんながそう思っているのかも怪しいもんだ。世間やSNSも声を上げる人間の意見ばかりが目につくが、そういう人間は案外少数派で、声なき声の方がマジョリティーのことも多い。学校という社会は勝訴だ敗訴だで白黒つけられる場所ではない。
「高校生らしさ」とは何か、自由と規律のバランスを問うディスカッションを展開した1話。「何が高校生らしいのか」「決まりは本当に不要なのか」。この問いかけは、私たちの記憶を静かに揺さぶる。 尾碕が提示する「校則の意義」に対し、生徒たちが「個人の自由」を訴える様は、多くの視聴者に“自分ごと”として刺さるはずだ。
◆“重苦しさに寄りすぎない”軽妙なリズム
シリアスなテーマを扱いながらも、ドラマは重苦しさに寄りすぎない。冒頭シーンは雨に打たれながら川沿いに座る健治が、その隣で後ろ姿だけが映る赤い傘をさす人物に「少しの間で良いから聞いてほしい」と切り出し、自身の過去を打ち明ける。「子どもの頃はもっとこう、いろいろ聞こえてたし、感じてた」「風の色とか、音の匂いとか、植物や鳥や虫の声も」というと、物語は幼少期の回想シーンへ。緑に囲まれた丘に座り、母と夜空を見上げる健治。
その後の健治が赴任初日に教員の前で挨拶をするシーンにも絶妙な軽やかさがある。赴任に至った経緯について、法律事務所所長・久留島かおる(市川実和子)との間に「稼ぎの悪い僕を体よく追い出したいと思ってるんですね。わかります。
◆物語の奥に潜む謎に注目
冒頭、雨の川沿いで健治の隣に座る赤い傘の人物。その正体は明かされていない。そして、尾碕が模擬裁判後に健治に「下の名前は?」と尋ねたときの一瞬の驚き。些細な描写の中に、今後を暗示する謎が散りばめられている。
◆1話から反響続々
ほかにも副会長・斎藤瑞穂(南琴奈)がスラックスを選んだ理由、そしてそれをやめた理由。生徒会長・鷹野良則(日高由起刀)が彼女に寄り添おうとした勇気。1話の終盤で描かれる彼らの物語も見どころだ。
放送後、SNSでは「自分の学校も身だしなみの基準が曖昧でモヤモヤしてた」「理事長が言うように、ある程度の決まりがあることで守られることも多いから、制服はあったほうが良い」「どちらの主張も納得できる。難しい問題」「いろんな問題が起こるけど、世界観が柔らかくて良い」「法律の話なのに堅苦しくなくて共感度高く観られる」と反響が続々。
現代の問題をユーモアを織り交ぜながら描く、スクールロイヤー主人公の新たな学園ドラマ「僕達はまだその星の校則を知らない」。健治は法律だけでは救えない青春にどう向き合うのか——今後の展開から目が離せない。(modelpress編集部)
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