【モデルプレス=2024/04/01】「フジテレビ」と「モデルプレス」がコラボレーションするアナウンサー連載「“素”っぴんランキング」。同じ場所で働く・協力し合う仲間だからこそ知る“素”の一面を、多彩なランキングテーマによって引き出していく同連載。
Vol.11のテーマは「気遣いの天才であるアナウンサー」。

フジテレビアナウンサー約50人への取材から1位に輝いたのは、榎並大二郎(えなみ・だいじろう/38)アナ。インタビューでは、「気遣いが大事」と語るアナウンサーの仕事において大切にしていること、オリンピックイヤーにスポーツへと番組異動した思い、さらには1児の父として妻でモデルの有村実樹とぶつかった過去などについても、たっぷりと語ってもらった。

◆フジテレビアナの素顔に迫る「“素”っぴんランキング」

テレビには映らないフジアナの知られざる素顔に迫った連載第1弾「女子アナの“素”っぴん」、第2弾「“素”っぴんトーク」に続く第3弾「“素”っぴんランキング」では、フジアナ約50人に取材し、その結果をもとにしたランキングを発表する。

第11回のテーマ「気遣いの天才」1位の榎並アナは、2008年入社。入社後は「FNNスーパーニュース」のキャスターや「バイキング」での進行を経て、2020年9月より約3年半「Live News イット!」のメインキャスターを務めた。
3月31日からは、8年ぶりに復活したスポーツ番組「すぽると!」のキャスターに抜擢されている。

また、2016年には有村と結婚し、2021年8月に第1子となる長男が誕生。その後、男性育休を取得し、「第12回イクメンオブザイヤー2022」「第13回イクメン/男性育休オブザイヤー2023」を2年連続で受賞したことでも話題となった。

◆榎並大二郎アナ「気遣いの天才」同率1位の小澤陽子アナ絶賛

― 「気遣いの天才」1位に選ばれた感想を教えてください。

榎並アナ:まずどうにかタイトルを変更していただけないかなというご相談を…(笑)。いやいや、本当に光栄なことでございます。
アナウンサーというのは気遣いをすることが非常に大事な職種だと思うので、そんな中で選んでいただいて「“気遣い集団”からお気遣いいただいてありがとうございます」という気持ちです。少し気恥ずかしいですね。

― 榎並アナが「気遣いの天才」として選んでいたのが、ランキングで同率1位の小澤陽子アナでした。「サービス精神の塊」ともおっしゃっていましたが、普段の小澤アナの姿を見て、ここは見習いたい、ここは素敵だなと思うポイントはありますか?

榎並アナ:小澤さんのすごいと思うところは、人間はみな感情が常に一定ではない中で、小澤さんはぱっと思い浮かべる顔が必ず笑顔なところです。どんな時もテンションを一定に明るく居続けられるのは天性のものなのだと思います。名前の通り“太陽”のように明るいので、周りも明るくなりますし、表情を作っているのではなく自然とできていることが“気遣いの天才”だと常々感じます。


また後輩ではありますが、とても褒めてくれるんです。一緒に番組を担当していた時も「あれすごかったです」「さすがでした!」みたいなことを言ってくれて素直に嬉しいですし、さりげなくそういう気遣いをできているところがすごいです。

◆榎並大二郎アナ「バイキング」坂上忍から学んだ“気遣い”

― 榎並アナを選んだアナウンサーの皆様からも、例えば遠藤玲子アナからは「自分のことより周りを常に見ている」、新美有加アナからは「奥様への気遣いに慣れているのか『髪切った?』などとよく気づいてくれます」など、周囲への気遣いについての声が届いています。

榎並アナ:特に新美さんは頻繁に髪型を変えている印象があるので、変化に気づきやすいですし、そういうことを言いやすい関係性でもあるんです。確かに、思ったことは伝えるようにしていますね。

― イメージチェンジした時に変化に気づいてもらえることは嬉しいことですもんね!他にも、普段から人と接する上で心がけていることはありますか?

榎並アナ:まず社内外の方に関わらず挨拶からですね。
新人で入った時に「挨拶が全てだから」と指導してもらい入社17年目になるのですが、相手と接する上での入口になる挨拶だけは貫いています。

― 先ほどアナウンサーという仕事には“気遣い”が重要だというお話もありましたが、番組を進行する上で意識していることはありますか?

榎並アナ:アナウンサーは話す仕事というイメージがあると思うのですが、話す以上に聞くという作業がとても大事な職業だと思っています。スタジオでは「コメンテーターや専門家の方にどういう聞き方をすれば議論を深められるか」を常に考えていますし、街頭インタビューなどでも、相手が答えやすかったり、お話が広がるような聞き方を心がけています。話しやすいパスを出すというのはアナウンサーの大事なスキルであり、そういう1つひとつが、言ってしまえば“気遣い”なのかなとも思います。

そういう“気遣い”が番組の空気感を作り、そのまま放送に全て乗ると思っています。「バイキング」(2014~2022年/2020年から番組名が「バイキングMORE」に)の時には、5年半ほど坂上忍さんの間近にいさせていただき、ゲストの方を気遣う姿から学んでいました。
いま申し上げたような「話の水の向け方」もそうですし、薄着のゲストがいる時には「(空調の)温度は大丈夫ですか」と確認したり、VTR映像を見るためのモニターをゲストの見やすい角度にそっと微調整したりと、細やかに気遣われる姿を目の当たりにし、自然と自分にも身につくようになりました。

◆榎並大二郎アナ「すぽると!」抜擢に不安と本音

― 榎並アナは今お話しいただいた「バイキング」、この3月まで担当されていた「Live News イット!」を経て、3月31日から「すぽると!」を担当されています。8年ぶりに復活する同番組への抜擢、そしてご自身も約10年ぶりとなるスポーツ番組を担当する率直な心境や意気込みをお聞かせください。

榎並アナ:「まさかこのオリンピック直前に」というところは青天の霹靂ではあったのですが、オリンピックイヤーにスポーツ番組のキャスターとして担当できるチャンスは早々ないことだと思うので、本当にありがたく身に余る大役を仰せつかったと思っています。まずはなんとか追いつけるように準備をしていますが「間に合うかな」という不安が先行して、喜びや驚きといった感情は正直後回しだったかもしれないです。

思い返すと自分がアナウンサーの採用試験に臨んだ会場が「すぽると!」のスタジオだったんです。
学生の時の自分にとって人生の大きな大きな舞台で、フジテレビへの思いを語ったその場所に、今度はキャスターとして立つというのはとても身の引き締まる思いですし、ご縁を感じています。

― 「間に合うかな」という不安もあるとのことですが、やはりプレッシャーは大きいですか?

榎並アナ:大きいです。新人の時に「FNNスーパーニュースWEEKEND」という番組でスポーツキャスターを担当していて、要所要所でスポーツとの関わりはあったのですが、これだけ中心で動くこともなかったので、あらゆる分野を毎日受験勉強のように学んでいます。

― 「スポーツ」と一言で言っても、たくさんの競技がありますもんね。

榎並アナ:たくさんありますが、ただそういった不安は見ている方にとっては関係のないことなので、とにかく全部のレベルを上げていきたいです。また、何より日曜日には千鳥のお2人にキャプテンとして入っていただくので、お2人が1番輝くために、自分たちアナウンサーがしっかり屋台骨として下支えできるように佐久間(佐久間みなみアナ)と松崎(松崎涼佳アナ/※「崎」は正式には「たつさき」)と力を合わせていければと思っています。

― 佐久間アナ、松崎アナとは何かお話しされていることはありますか?

榎並アナ:まだそんなに話せていないのですが、佐久間は「ジャンクSPORTS」の合間に衣装の学生服のまま走ってきて「よろしくお願いします!」と挨拶してきてくれました(笑)。彼女はこれまで中村光宏さんというスポーツでの大きな柱となるキャスターと一緒に担当してきたので、急に私が来て不安だとは思うのですが、そう感じさせないように、そして頼れるところはいっぱい頼っていこうと思っています。

「イット!」を一緒に担当していた宮司さん(宮司愛海アナ)は「S-PARK」というスポーツニュース番組を担当してから「イット!」に来ていて僕とは逆の立場なので、引き継ぎではないですが色々とアドバイスをくれてとても助かっています。何よりも「榎並さんはスポーツに合うと思います!」と言ってくれたので、その言葉だけを信じてやっていこうと思います。

◆榎並大二郎アナ、妻・有村実樹と育児でぶつかった過去

― 新たな一歩を踏み出す榎並アナですが、もう1つ新たな試みとして今年から厚生労働省の男性育休のPR活動にも参加されています。動画では奥様からの手紙に涙する場面も印象的でしたが、現在2歳のお子様との生活の中で、奥様と意見が食い違ってしまった、ぶつかってしまったというエピソードはありますか?

榎並アナ:平日は妻の方が子供と接している時間が長く、色んなルーティンもできている中で「ジュースを飲ませるかどうか」ということで、最近初めてぶつかりました。ある日ジュースがちょうどキッチンに置いてあり、妻に「それを(息子に)あげて」と言われて。僕が「飲みたいと言っていたわけではないし、今あげなくてもいいんじゃない?」と伝えると「今あげてほしいの」「いやいやいいじゃん」とちょっとした小競り合いになってしまったんです。妻としては「前の日に『もう寝る前だから明日飲もうね』とジュースを我慢させてしまったので約束通りにあげたくて、ものすごく制限するものでもない」という意見だったのですが、僕は自分があまりジュースを飲まないですし、食生活にストイックになってきているところがあるので「嗜好品は欲していない時にはあげなくていいのではないか」という意見でせめぎ合っていました。

― 奥様と意見がぶつかり、どのように解決していきましたか?

榎並アナ:ジュース1つではあるけれども、それは今後の教育方針のすれ違いのポイントになってくるかもしれないと思い、僕も妻の言い分はよく分かったので「全く制限するのではなく、こういうタイミングでこういうものをあげよう」というすり合わせをしました。

― 「ジュース1つだから」となあなあにせず、きちんと話し合いをされたんですね。

榎並アナ:前だったら自分も「もういいや」と思ってそのまま引いてしまっていたのかもしれないですが、妻がそこで「どう思っているの?」と対話を求めてくれるので自分も言いやすくなりました。子どもができると、なおさらそういうすり合わせをしていかないと前に進んでいかないですし、変なしこりを作っても余計にストレスが溜まってしまうだけなので、そういうのはなるべく話して解消していく作業ができるようになったと感じます。「たかがジュース、されどジュース」ではないですが、本当に“一事が万事”だと思ってすり合わせをする毎日です。結婚した時にも少し感じましたが、考え方というのはそれぞれあると思うので、価値観をすり合わせていく作業は大事だと、今また子育てでも改めて感じています。

◆榎並大二郎アナ、男性育休のパイオニア

― これまでの子育ての経験を踏まえ、フジテレビアナウンサーの中でも男性育休を取得した“パイオニア”として、悩んでいるパパたちに何を伝えたいですか?

榎並アナ:お金の面や、仕事の引継ぎなどの不安、言い出しづらい職場の雰囲気などそれぞれ悩みがあって迷われていると思うのですが、まず誰かに相談してみるところからなのかなと思っています。自分から「(育休を)取りたいのですがどうでしょうか?」と言いやすい人に相談していくと、周りにサポートしてくれる味方が増えていって、取りやすい環境にもなってくるのかなと思います。世間的にもどんどん取りやすい環境にはなっていると思うので、男性育休を当たり前に取得できるように、今の子育て世代の人たちが取りたいという意志を示していくことが大事だと感じています。

◆榎並大二郎アナ、入社3年目で気づいた夢を叶える秘訣

― これまでのお仕事や子育ての経験を踏まえ、榎並アナの「夢を叶える秘訣」を教えていただきたいです。

榎並アナ:その場その場で与えられていることをしっかりやっていくということに尽きるのかなと思います。会社員である以上、色々な異動もありますが、ただその先その先で「求められているもの以上のものをやろう」という気持ちで臨んでいると、どんどんそれが繋がっていくのかなと思います。アナウンサーにとっては番組異動というのが部署異動ぐらいの大きなことで、自分が今スポーツに行くという中で未知の世界への不安はあるのですが、そこに飛び込む上では今まで経験してきたことの積み重ねが大切だと感じています。

こう思えたきっかけは、新人から色々な番組を担当してきて、入社3年目ぐらいでそのレギュラーが全部ぱっと終わるタイミングが来た時でした。イベントの司会や単発の番組のロケに呼ばれるといった軸がない生活が始まり、若いなりに「必要とされていないのかな」と考えてしまうくらいとても不安でした。でも、その中でもデスクワークしている時間が多いからブログを書いてみようと始めたり、単発の仕事を自分なりにベストを尽くしてやっていったりしたところ、バラエティの人がブログを見て「面白いね」と声を掛けてくれたり、単発の仕事の縁で「こういう番組お願いしたい」と話が来たりと、その翌年からの仕事にすごく繋がっていったんです。何が繋がるかは分からないけれども、そうやって自分で動くことが大事だと思いました。

― 与えられた場所で自分に何ができるかを考えて行動していったことが今のご活躍につながっているのですね。最後に、そんな榎並アナが今掲げている目標や夢を教えて下さい。

榎並アナ:しっかりとパリオリンピック後に達成感を感じられていることです。無事に「パリオリンピック・パラリンピックを駆け抜けたな」と思えるような仕事をしたいです。

― 貴重なお話をありがとうございました!

(modelpress編集部)

◆榎並大二郎アナプロフィール

生年月日:1985年9月30日
出身地:東京都
出身校:慶應義塾大学法学部
入社年:2008年
担当番組:すぽると!、αすぽると!

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