◆水上恒司主演「火喰鳥を、喰う」
原作は、原浩氏による「第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞」大賞・受賞作の同名小説。かつて戦死したはずの祖父の兄・貞市が書いた“ヒクイドリ、クイタイ”という生への執着が記された日記を読んだ日を境に、主人公の周囲では不可解な出来事が頻発するようになる。「死者の日記」から始まったのは、“事件”か、あるいは“怪異”か。全く先読みのできない衝撃のミステリーホラーが誕生する。
不可解な現象に巻き込まれていく主人公・久喜雄司を水上、雄司の妻・夕里子(山下美月)に異様な執着を見せる超常現象専門家・北斗総一郎を宮舘が演じる。
◆水上恒司、宮舘涼太からの嬉しかった言葉「誰もが目指すべき人格」
― お二人はとても仲が良いとお伺いしました。
宮舘:誰から聞いたんですか?
水上:噂を信じちゃだめですよ?
一同:(取材開始早々2人の息ぴったりのやり取りに現場から笑い起こる)
― 劇中ではライバル関係のお二人が取っ組み合うシーンもありますが、撮影前に相談したり話し合ったりしたことはありましたか?
水上:相談はしていないです。それぞれがやりたいことをしっかり準備した上で撮影を進めていたので、取っ組み合うシーンもお互いの世界観をぶつけ合って作っていきました。ただ、クランクイン前の読み合わせの時に宮舘さんから話しかけてくださって、それがとても嬉しかったですし、すごい方だなと思いました。
宮舘:僕も同じで、最後の取っ組み合いのシーンに向けて特別何かを話したということはありませんでした。でもアクションがあったので、動きを確認しながら息を合わせて撮影に臨みました。
― ちなみに、宮舘さんからお話してくださって水上さんが嬉しかった言葉というのは?
水上:先ほど別のインタビューでその話題を良い話にまとめようとしたら、意外とそうでもなかったんですよね(笑)。
宮舘:それは技量の問題だよね?
水上:違いますよ(笑)!舘さん(宮舘)はどんなにキャリアや経験を積んでいる人でも難しい北斗という役を演じられるので、単独で初めて出演される映画で、ワクワクやプレッシャーといったいろいろな思い入れがある中で、その不安や悩みから話しかけてくださったと思っていたのですが、どうやら舘さんとしてはコミュニケーションの一環でライトな話のつもりだったらしくて。僕がちょうどヘアメイクをしている時に「ねえねえねえ」って来たから…。
宮舘:そんなFRUITS ZIPPERみたいなこと言ってないよ。
水上:そのFRUITS ZIPPERはいかがなものかと思いましたけどね(笑)?
宮舘:(声をワントーン上げてFRUITS ZIPPER風に)そんな「ねえねえねえ」ってやってないですよ。
一同:(笑)。
水上:でも、キャリアも年齢も下の人間である僕に対して「どう思う?」「さっきの本読みの北斗ってどういう風に感じた?」と聞いてくださったことがすごく嬉しかったです。もし、僕が逆の立場だったらできるのかと考えましたし、誰もが目指すべき人格だと思いました。(宮舘に向けて)一応ちょっと持ち上げといた。
宮舘:そうだね。今のコメントは太文字だね。
水上:やかましいな(笑)!
宮舘:北斗っぽい(笑)?
水上:うるさいです(笑)。
◆水上恒司&宮舘涼太、言葉を交わさずとも通じ合えたこと
― 今のやり取りからもお二人の仲の良さが垣間見えましたが、現場に入ってすぐ打ち解けられたのでしょうか?
宮舘:どうでしたか?
水上:まぁ、上辺ですよね(笑)?
宮舘:そっちのチャンネルにしとく(笑)?
― (笑)。
水上:これはあくまで僕の経験則上の話になってしまいますが、キャスト同士が打ち解ければ良いということではないと考えています。もちろん良好な関係があったら良いケースもありますし、それこそ舘さんのようなグループ活動ではまた違った難しさがあると思いますが、仕事である以上、たとえ関係値がどうであれやるべきことをやる、ということを、お互いに言語化せずとも感じ合えていたからこそ打ち解けられた気がします。
宮舘:たしかに。あとは、題材が難しい作品なだけに、1人の時間が個々にちゃんとあったからこそ成り立ったと思います。一方で、撮影の合間や休憩では他愛もない話が多かったので、本番ではストーリーにグッと入れた感覚がありました。
水上:作品に対する考えも、仕事をする上での人間関係の構築の仕方も似ているなと思いました。僕が合わせているわけでなく、むしろ合わせてもらっていると感じるので、ありがたいです。
― 本作を手掛けた本木克英監督とは、それぞれの役についてどのようなお話をされましたか?
水上:本木さんとはあるタブーについてよく話していて、僕たち雄司や北斗、夕里子、それぞれのキャラクターたちがそれをどのくらいタブー視するのかを考えながら演じていました。世代が違うと捉え方も感じ方も違うので、そこが一番肝になるのではないかと考えています。でも、それを前面に押し出すわけではなく、僕たちが表現した執着や愛の裏には、そういうテーマもあるのだということを意識して撮影していました。
宮舘:監督からは「北斗はとにかく変わっている不思議な人」と言われていました。キーパーソンとして物語を進めるために、場を掻き回していく人だと捉えていたので、撮影中は「このテンション感で合っていますか?」と、どんなに細かいことでも監督に聞いて何回も打ち合わせをしました。
★お互いに知りたいこと・それぞれの芝居の魅力を語ったインタビュー後編も公開中。(modelpress編集部)
◆水上恒司(みずかみ・こうし)プロフィール
1999年5月12日生まれ、福岡県出身。2018年、オーディションを経て新人ながら主演の相手役という異例の抜擢を受け、TBS系連続ドラマ「中学聖日記」で俳優デビュー。近年の主な出演作は、ドラマ「真夏のシンデレラ」(2023/フジテレビ系)、「ブギウギ」(2023~2024/NHK)、「ブルーモーメント」(2024/フジテレビ系)、映画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」(2023)、「八犬伝」(2024)、「九龍ジェネリックロマンス」(2025)など。待機作に、映画「WIND BREAKER /ウィンドブレイカー」(12月5日公開予定)を控える。
◆宮舘涼太(みやだて・りょうた)プロフィール
1993年3月25日生まれ、東京都出身。2005年に入所し、2012年にSnow Manを結成。2020年1月22日に「D.D.」でCDデビューを果たす。映画「おそ松さん」(2022)でグループとして主演を務めたほか、「大奥」(2024/フジレビ系)で連続ドラマ初出演、「キャスター」(2025/TBS系)では日曜劇場初出演を飾った。
【Not Sponsored 記事】