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Amazonばかりで本を買っていると出会いのチャンスを潰してしまうので、筆者はたまには大型書店にいって、上から下まで3時間くらい掛けて書棚を見るようにしている。
先日、エラ・フランシス・サンダース著『翻訳できない世界のことば(Lost in Translation: An Illustrated Compendium of Untranslatable Words)』(創元社)を見つけた。
世界にはその言語特有の単語があり、相互には翻訳しきれない様々な意味を含むことばがある。それを集めた本だ。たとえば「インシャラー」の意味を正確に伝えるのは不可能に近いだろう。
【参考】「ホニャララ」の発明こそ久米宏が天才である証明
筆者の語学は標準語と出身地の方言だけだが、地方の方言にも標準語には変換しづらい言葉はある。例えば、山形弁で「やばつい」という言葉は、おおよそ「水やお湯が顔にかかってうざったい」という意味だ。「しぇわすない」という言葉は「まわりでうろうろするな」ということを意味する。
当然のことながら、同じ日本語ではあるが、これらを一単語で表す標準語はない。
翻訳できない日本の言葉としてあげられているのは「BOKETTO」。語釈は「なにも特別なことを考えず、ぼんやりと遠くを見ているときの気持ち」である。
この本を紹介するには、こうやって言葉を取り上げていくのが一番良いのだが、それでは全部中身をバラしてしまうことになる。そこで、一つだけ紹介する。
ウルドゥー語(URDU)で「NAZ」(ナーズ)とは、
「だれかに無条件に愛されることによって生まれてくる、自信と心の安定」
ウルドゥー語はパキスタンやインドで話されている。
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