認知症になると、人との会話や外出の機会が減り、「孤独」を感じやすくなることも。そんな思いにそっと寄り添うのが「アートリップ」です。
これは、絵画を観ながら、参加者たちが思ったことを話し合う対話型のアート鑑賞会のこと。今回は、神奈川県鎌倉市の認知症グループホームで行われているアートリップの取り組みをご紹介します。

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※この記事は雑誌『家の光』2025年9月号特集「「老い」を自分らしく」を一部抜粋・再編集して制作しています。

老いの不安はつながって解消!

老いの不安は認知症に関するものも多く、さらに、認知症を発症するとより強く孤独を感じるという報告も。絵画を観ながら対話をする取り組みを紹介します。

アートでつながる
一般社団法人アーツアライブ

【認知症のふさぎこみをアートで解消】絵画を見ながら語り合う「アートリップ」とは?脳への刺激で会話も増える


神奈川県鎌倉市の認知症グループホーム「のぞみの家鎌倉」では、対話型のアート(絵画)鑑賞プログラム「アートリップ」を月に1回開催しています。スクリーンに映し出された絵画を眺める入所者の男女8人と職員たち。進行役のアートコンダクター小野幸子さんが、「この絵からなにが見えますか」と1人1人に問いかけます。

「1回1時間ほどで、3枚の絵画を観ていただきます。まずは絵の説明なしで問いかけをしながら思ったことを話していただき、最後に作品の背景や物語をお話しします」と小野さん。

【認知症のふさぎこみをアートで解消】絵画を見ながら語り合う「アートリップ」とは?脳への刺激で会話も増える


アートリップの導入を決めた施設管理者の豊住美枝さんは、どんな発言も否定されずに受け止めてもらえるアートリツプは、不安を抱えている認知症の方にとって、とても貴重な時間だと感じています。

「絵画の前では、年齢や性別、立場や役割に関係なく入所者も職員も対等。
人生の先輩のだれだれさんとして向き合えるんです」と豊住さん。

アートリップ開発者でアーツアライブ代表の林容子さんは、「認知症の方は感じる力がとても強く、まるで絵の世界に入ったかのように、作品の本質を見抜きます。筋肉と同じく脳も刺激することがだいじなんです」と言います。

絵画を観ながらだと対話も盛んに。プログラム終了後もおしゃべりが止まらないこともあるとか。「『参加をきっかけに友達ができた!』とうれしそうに話す方も多いですよ」(林さん)。
参加者同士に自然とつながりが生まれているようです。

認知症の人がアートを通じて人とつながる「アートリップ」

美術館、介護施設などで認知症の人やその家族を対象に開催する対話型のアート(絵画)鑑賞プログラム。絵画を観ながら、アートコンダクターが参加者に問う形式で進行。認知症に関係なく、だれでも楽しめます。

アートリップ開発者の林さんに聞く

◎どんなつながりが生まれるの?
アートコンダクターと参加者はもちろん、参加者同士の会話も弾む。脳が刺激され、過去の体験を思い出す人も多い。


【認知症のふさぎこみをアートで解消】絵画を見ながら語り合う「アートリップ」とは?脳への刺激で会話も増える

おしゃべりが止まらないことも!

◎こんな作品が盛り上がる!
モチーフや構図、色がはっきりとしていて見やすく、内容がわかりやすい作品。「かわいい動物やきれいな花は、みなさんの話が盛り上がります」(豊住さん)

◎こんな効果が期待できます!
軽度の認知症でうつ傾向の76人を対象にした、国立長寿医療研究センターとアーツアライブの共同研究では、プログラムの参加者にうつが軽減する結果が。さらに以下のような行動の変化も。
・いろんなことに積極的になった
・外出が増え、人との会話が増えた
・朝の散歩の景色が変わって見えるようになった
・自治会の役員に立候補して、みごと当選した

【認知症のふさぎこみをアートで解消】絵画を見ながら語り合う「アートリップ」とは?脳への刺激で会話も増える

脳への刺激にも〇!

アートリップに興味のある方はこちらヘ
(一社)アーツアライブ
TEL:03-6721-1673
FAX:03-6721-1675
E-mail info@artsalivejp.org
http://www.artsalivejp.org/
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