小野賢章さんも出演するドラマ『腐女子、うっかりゲイに告る』。ゲイと腐女子の関係を描くこのドラマ、第4話では同性愛者である自分たちが「生まれてきた理由」を問いかけます。
ゲイであることを隠して生活する高校生・安藤純(金子大地さん)と、腐女子である三浦紗枝(藤野涼子さん)2人が直面する葛藤や、周囲を巻き込んで築き上げられていく関係性が描かれます。
そして同じくゲイであるミスター・ファーレンハイト(声:小野賢章さん)。ネット上だけの友人でありながら、純が唯一すべてを打ち明けられる彼の言葉が、純の心と物語を動かしていきます。
第4話の前に印象的なシーンとともに振り返っていきましょう!
腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。 | NHK よるドラ
腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。 ゲイの少年×腐女子の少女。交わるはずのない二人が出会ってはじまる、純粋でねじくれた青春群像劇。第四話「The March Of The Black Queen」あらすじ
恋人が死んだことを純に打ち明けたあと、メッセンジャーに現れなくなったファーレンハイト。QUEENの思い出、恋人がAIDSを発症していたこと、交際を両親に反対されたこと、葬儀に参列できなかったこと……。純は、愛する人を悼むことも許されない現実に「僕たちの居場所はないのか」と打ちひしがれます。
純と紗枝は家デートの失敗以来、ぎこちなくなっていました。そんな中、以前BLのイベントで会った姐さん(望月綾乃さん)と彼氏の隼人(亀島一徳さん)の4人で温泉デートをすることに。
後を追ってきた紗枝と話すうち徐々に心がほぐれていく純。ようやく笑顔が戻ってきた矢先、スマートフォンに着信が。届いたのは、ファーレンハイトからの遺書でした。彼は、亡くなった恋人の後を追ってしまったのです。
我を失い、紗枝をおいて温泉の館内を泣きながらさまよう純。そんな純を見つけ抱きとめたのは、家族と温泉を訪れていた恋人のマコト(谷原章介さん)でした。泣きじゃくる純を抱きしめ、キスをするマコト。
ところがそんな2人に、スマートフォンが投げつけられます。顔をあげた純の視線の先には、驚く紗枝の姿がありました……。
ファーレンハイト「僕たちのような人間は、どうして生まれてくると思う?」
常に純の悩みを聞き、ときに道を示し、良き友であり相談相手でもあったファーレンハイト。そんな彼ですら「最後までわからなかった」と言った問いがありました。「僕たちのような人間は、どうして生まれてくると思う?」
「種の存続が生物の目的なら、僕たちみたいな生き物がどうして必要なんだ?」
彼の問いは「自分はなぜ生まれてしまったのか」という苦しみでもあったでしょう。そしてそんな彼にとって、唯一の“生まれてきた理由”だった恋人を失ってしまった。純にそんな思いをすべて伝え、本当に好きだったと言って命を絶ってしまった無二の友人。純が受けたショックと喪失感は図りしれません。
普通とは何だ? 君はどうしたいんだ? そう純に問い続け、自ら答えを見つけるよう促しつづけたファーレンハイト。実は彼自身がその答えを探していたんですね……。
「この子となら、本当の僕のままでも……」
紗枝に誘われ、ダンスの練習をはじめる純。ぎこちなく踊りながら「こんな時間がずっと続けばそれだけで私は幸せ」と笑う紗枝の言葉に、純は自分の中にたしかに、紗枝への好意があることを知ります。「ああ、僕はこの子のことが好きなんだ……この子となら、本当の僕のままでも……」
無理やり普通になるのではなく、本当の自分を知り、受け入れてもらえるのではないか。そう思わせてくれる相手に出会えたかもしれないという期待が、純の表情に満ちているように思えました。そしてそんな純の真意は知らずとも、ただふたりして踊っている時間を尊いものと受け止め、満ち足りた笑顔をしている紗枝。全く違う2人の心が作り出す、この上ない「幸せ」が画面いっぱいにあふれているシーン。
その後「三浦さん、あのさ……」と何かを言いかけた純は、とても大切なことを紗枝に伝えようとしていたのだと思います。
「僕には、これが普通なんだ……」
ファーレンハイトの自死を知り、呆然と温泉の館内をさまよう純をみつけたのは、他ならぬマコトでした。彼の腕に思わず「助けて」とすがりついた純は、ファーレンハイトの恋人の死、恋人を追ってファーレンハイトが自殺したことを涙ながらに話し「僕たちみたいな人間はどうして生まれてくるのかな?」と、亡き友人が遺した言葉をそのままマコトにぶつけます。
たまらず純を抱きしめるマコト。純の目をまっすぐにみつめ「僕には純くんが必要だよ」と言ったマコトの言葉は「どうして僕たちみたいな生き物が必要なんだ?」というファーレンハイトの問いへの、ひとつの答えのようにも思えます。
世界が、生物としての種が、僕たちを必要としなくても、僕には君が必要だと。
そうしてマコトとキスをしながら、純は“あること”に気づくのです。「そっか、僕にはこれが普通なんだ……」
ずっと「普通」になりたかった純。普通を探し求め、紗枝と付き合うことに決めた純。でも、純にとっての普通は、男性を愛することであり、男性に求められることでした。大切な友人を失った絶望的な嘆きの中で、たどりついた答え。
しかしそれは、その場を目撃した紗枝との間に亀裂を生んでしまいます。
第5話、純の秘密が学校中にバレてしまう…?
次回予告では、純が同性愛者であることが学校中にバレてしまっているよう。小野からかけられる辛辣な言葉、それでも純を心配する亮平、納得ができない紗枝。追い詰められた純は、学校の屋上の手すりに立ちーー!?どうかどうか、純の心も、紗枝の心も、ちゃんと救われてほしい……。第5話、今夜放送です!
執筆:森本マリ
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