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専業主婦って幸せ? 妻たちが日々感じる罪悪感とは……の画像はこちら >>


夫の収入で暮らせることが、幸せとは限らない

妻が夫にも言えない本音を聞き出すこの連載。第2回のテーマは、専業主婦になった妻の「お金」に関する本音。

ワーキングマザーが年々増えている現代の日本。

子供を産んでも働き続けるのが当たり前となってきていますが、まだまだ仕事を辞めて専業主婦になる人もいます。

そんな専業主婦のママに対して、周囲からは「夫の収入が十分にあるのだろう。羨ましい」という声もあるでしょう。しかし、手放しで幸せというわけにはいかないよう。

仕事を辞めて後悔した瞬間を聞いてみたところ、次のような意見が見られました。

Q.仕事を辞めたことを後悔するのはどんなときですか?

「自分のものを買うときに罪悪感がある」(東京都・43歳)
「お金を使うときに罪悪感がある。

それに、離婚しようと思ったときにできない」(沖縄県・44歳)
「自分の収入ではないので、自分の好きなものが買えなくなった」(大阪府・39歳)
「夫が稼いだお金だと思うと、気軽に何でも買うのは悪いなと思ってしまう」(愛知県・41歳)

これまで自分自身も働いてきた人なら、夫が稼いできたお金で、自分自身のものを買うことに抵抗感を覚える気持ち、とてもよくわかります。

たとえ夫から「自由に使っていいよ」と言われていたとしても、例えば、洋服や化粧品など、自分だけが使うものを買うときには、そんな気持ちになるのも仕方ありません。

また、女性のストレス解消方法のひとつとして、「頑張った自分へのご褒美を買う」ということがあります。しかし、もしお金を使うことに罪悪感を感じているなら、「自分へのご褒美を買っても、心から喜べない」とか、「自分へのご褒美なんて、ごくたまにしか買えない」ということになるでしょう。

ちなみに私の自分へのご褒美は、月に1~2回通うマッサージですが(座り仕事が多いため肩こりと腰痛がひどいので)、そのことを先日、小学生の子供が3人いる専業主婦のママ友と雑談しているときに話したら、「マッサージなんて何年も行ったことない」と言っていました。

その方は、とても堅実な方なので、夫の収入で暮らしている以上贅沢はできないと考えているのだろうと思います。

財布の紐が堅いというのは素晴らしいことですが、それによってストレスがたまらないのだろうか、と少し心配になりました。

また別のママ友の話では、その家では家計の管理は夫がしているそうで、買い物はできるだけ夫の名義のカードで支払うことになっており、明細書を見て1カ月の支出を月に1度夫が確認しているのだそうです。

それほど細かいことを言われることはないと、そのママ友は言っていましたが、使ったお金をすべて見られているというのは、人によっては抵抗感を覚えることかもしれません。

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妻が自由に使える金額をはっきり決める

では、専業主婦の妻に対して、お金の使い方でストレスを感じさせないために、夫はどんな気遣いが必要でしょうか。

妻にとってストレスに感じるのは「自由に使えるお金がない」こと。だとしたら、このお金は自由に使っていいよ、という金額を生活費とは別に決めておくと、妻のストレスが無くなると思います。

罪悪感を感じる理由をもう少し深掘りしてみると、妻が自分のために使えるお金と生活費をひとまとまりにしてしまっているから、何かとモヤモヤするのだと思います。妻が何に使ってもいい金額(お小遣い)を、きちんと話し合って決めておけば、それほど罪悪感は感じないのではないでしょうか。

いずれにしても、家計は夫婦のうちどちらかに丸投げせずに、2人できちんと見える化して管理するのがいいみたいです。

共働きの場合、財布を別々にしてしまっているので、意外と相手の収入がいくらあるのか知らない、というのは最近よく聞く話。最悪の場合、相手をあてにしていたら、お互いにまったく蓄えがなかったということもあるそう。

一方しか働いていない場合は、もともと財布は1つなので、お金について曖昧になるのを防ぐことができ、将来への蓄えも、着実に増やしていけそうです。

専業主婦だって、気分転換や自分へのご褒美は必要です。リフレッシュして前向きに働いてもらうためにも、妻が自分へのご褒美を買ったり、たまには友達とランチや飲みに行ったりするときに、夫に断らなくても自由に使えるお金を決めておいてはいかがでしょうか。

相馬由子=取材・文
編集者、ライター。合同会社ディライトフル代表。雑誌、ウェブ、書籍などの企画・編集・執筆を手掛ける。会社員の夫と、もうすぐ小1の娘の3人家族。

ここ数年は、子育てをテーマにした仕事を数多く手掛けている。

石井あかね=イラスト ネオ・マーケティング=アンケート協力 ※調査対象:既婚子持ちの35~45歳の女性200人