運動不足や長時間のデスクワークのせいか、カラダの歪みが気になる……。ならば、ウェルネスライフの王道であるヨガにおまかせ。

ネパールが生んだ伝説のインストラクターが自宅でできるヨガを指南!

伝説のインストラクターに教わる「ヨガ入門」。オーシャンズ世代...の画像はこちら >>

ウェルネス熱の高まりとともに、オーシャンズ世代の間でもヨガスタジオに通う人が増えている。とはいえ、「忙しくて通う時間がない」「男性が通いやすいスタジオが近くにない」「まだ外出が心配……」といった理由で二の足を踏んでいる人も多いはず。

そこで15歳で王族の指導を始めたというヨガ界の伝説的インストラクター、ニーマル・ラージ・ギャワリ先生に、自宅でできるヨガを教えてもらった。

「多くの男性はヨガを難しいものと捉えがちですが、ヨガはとってもシンプル。簡単に言えば、呼吸に集中しながら、カラダの左右のバランスを整えることです」。

カラダのズレは肩コリや腰痛、脚のしびれ、猫背、ぽっこりお腹などさまざまな悪影響を及ぼす。

特に現代人のライフスタイルはカラダのズレを起こす要因に満ちているという。

「長時間のパソコン作業やスマートフォンの見すぎ、カバンの片手持ち、脚を組んで座るなど……。スポーツをやっている人でも、利き腕や利き足をよく使うことで、カラダの左右のバランスが崩れがちなのです」。

伝説のインストラクターに教わる「ヨガ入門」。オーシャンズ世代にオススメの第一歩とは
「ヴァータナアーサナ」と呼ばれるアーサナは筋力に自信がある人向け。立った姿勢から右足を左足の付け根で固定して片足立ちにする。両手は胸の前で合わせ、右側の膝頭が床スレスレにくるように左膝をゆっくり曲げていく。バランスをキープしたまま元の姿勢に戻す。反対側も同様に。

とはいっても、ヨガの世界は深遠だ。いったい何から始めればいいのか?

「アーサナと呼ばれるヨガのポーズを正確に行うことも大切ですが、ヨガの基本となるのは呼吸に意識を集中させる瞑想です。呼吸はカラダとマインドをつなげるツールですから、この動作を整えるだけでもカラダのバランスを調整することができます。

また、ヨガの世界では、生物が一生で行う呼吸の数は決まっているといわれています。実際、長寿で知られるカメの呼吸は1分間に3回ほど。人間も普段からゆっくりと長く深い呼吸を心がければ、長生きできるのです」。

深呼吸のリラックス効果は知られているが、まさか寿命まで延びるとは!

「呼吸は口ではなく、鼻で静かにゆっくりと。吸うときは肺の横幅が広がるイメージで、へそのあたりを風船のように膨らませます。呼吸が落ち着いてきたら、1分間で行う呼吸の数を少なくすることを意識してください。

吐いて吸う、それぞれの時間をできるだけ延ばしていけば、呼吸の数は少なくなります。1分間に4回の呼吸を目指してください」。

伝説のインストラクターに教わる「ヨガ入門」。オーシャンズ世代にオススメの第一歩とは
ニーマル先生が「うさぎのポーズ」とも呼ぶアーサナ。両膝を軽く開いた正座の姿勢から上体を前に倒して頭の前側を床につける。両手は腰の後ろで上の写真のように組む。全身のを力抜いて、ゆっくり鼻での呼吸を繰り返す。脳の疲れや肩コリの解消のほか、安眠にもいい。

瞑想を終え、ゆっくり目を開けると、青みがかったように視界がクリアになり、熟睡したあとのように気持ちもすっきり! さらに今回はオーシャンズ世代におすすめというアーサナも教えてもらった。

「普段運動をしない人がヨガをすれば、カラダの不調が改善しますし、アスリートの人がヨガをすれば、カラダのバランスが整うことでパフォーマンスが高まります。

ヨガの世界には『ヨガ・イズ・センター(ヨガはすべての中心)』という格言があるのですが、その言葉どおり、ヨガはすべての人の中心にあるのです」。

ニーマル・ラージ・ギャワリ●1976年生まれ。

ネパールで生まれ、9歳の頃から祖父が創立したアローギャ・アシュラムでヨガの研鑽を積み、15歳で王族や上流階級の人々への指導を開始。ヨガと自然療法を学び、22歳でアローギャ・アシュラムで博士号を取得。世界20カ国でヨガ瞑想を指導したあと、2003年に来日し、ヨガの振興に尽力。’08年にニーマルヨガ白金台スタジオをオープン。瞑想講座には200人以上が詰めかけ、インスタライブでは月間1万人を突破するなど、現在日本で最も人気のあるヨガインストラクターのひとり。

朴 玉順(CUBE)、山本雄生、山城昌俊、鈴木泰之、宮前良将(Seven Bros. Pictures)、Rip Zinger=写真 水嶋和恵(La Plage)=ディレクション 加瀬友重、菊地 亮=編集・文 シーホース=翻訳・取材 小山内 隆、押条良太(押条事務所)、髙村将司=文