そのことについて、「相手に合わせて服を選ぶようにしています」と語る黒柳さん。例えば男性のゲストで派手な格好は好みでない方の時には、その奥様がお召しになりそうなものを。反対にうんと派手でも面白がる津川雅彦さんのような方がゲストの際には、派手なものを着るようにしているそうです。
そして相手が若手タレントであっても、司会者として引き立て役に徹するのが『徹子の部屋』のスタイル。そのことを意識したのは、往年の名番組『ザ・ベストテン』からだといいます。黒柳さんはこのように語っています。
「『ザ・ベストテン』が始まる時に、久米(宏)さんとひとつだけ決めたことがあるんです。それはゲストがどんなに若い歌手でも敬語を使うということです。『ザ・ベストテン』に出演する方は何十万人に1人という割合ですから、たとえ若いアイドルでも、そんな方に向かって『よく来たな』なんてやっぱりね。
若い人が観ている番組でしたし、ゲストを迎えるときは、きちんと尊敬した態度でもてなすようにしようと。それを久米さんと決めて、最後までその通りにやりました。それは今も変わりません」
そんな黒柳さんの心配りは髪型にも及んでおり、『徹子の部屋』に出演する時は髪型を変えないのだそう。
◆ケトル VOL.31(2016年6月14日発売)