壮絶な喪失の哀(かな)しみと再生が描かれる。
 最愛の妻を失った男は心身の痛みを癒やせぬまま、残された2人の幼子の世話に明け暮れる。
折り合いのつかない感情と、母を恋しがる息子たちの振る舞いに、のたうち押しつぶされていく男の心。
 人の感情は頭の中で整理したつもりでも、身体を通る時はそのようにはならない。限度を超えた哀しみや絶望は、時に何かに憑依させながらやり過ごさねばならない時もある。
 映画の中の男も子供たちも、言葉をもって苦しい、寂しいと伝えることができずにいる。そんな彼らの痛みは、見る者に忘れたと思っていたはずの、身も世もなくつらかった時の事を思い起こさせ、そして呼応する。
 他者の痛みと再生だが、救われた頃の自分を思い出して大きく安堵(あんど)し解放される。
 (スターシアターズ・榮慶子)
◇ミハマで上映中
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