2025年度の入域観光客数は前年度比9・9%増の1093万5800人で、コロナ前18年度の1千万4300人を超え過去最多を更新した。
25年度の県の目標値1040万人も上回っており、沖縄観光は回復から成長の軌道に乗ったと言える。
内訳は国内客が4・4%増の799万4500人で過去最多。外国客も28・4%増の294万1300人で過去2番目に多かった。
円安の影響で海外旅行から振り替えた人もいたほか、冬場や春先の修学旅行が堅調に推移。全ての月で前年同月を上回った。
航空路線の新規就航や増便、台湾や韓国、タイなどの運航再開、クルーズ船の寄港回数の増加なども全体を押し上げた。
観光地としての沖縄への高い関心は、コロナ禍を経てもなお維持されている。
海外や本土に拠点を置く大手ホテルの参入をはじめ宿泊施設の増加も寄与している。県内の宿泊施設数は年々増え、24年は過去最多の4251軒となった。
受け入れ態勢の増加は、観光客の選択肢を広げることにつながっている。
ただ一方で宿泊業界の競争は激化。資本力に劣る地元事業者はコロナ禍の貸付金の返済や物価高、人件費の増加で苦戦を強いられているところも少なくない。
特にホテルが集中する本島中南部では、供給過剰で観光客増の恩恵を受けられていない施設も出ている。客数の増加が県経済にどう波及しているかは冷静に検証する必要があろう。
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県民生活への影響も懸念される。
レンタカーの増加による慢性的な交通渋滞に加え、近年は沖縄都市モノレールの混雑も課題となっている。
離島での観光客増は、救急外来や診療所の「コンビニ受診」増加など地域医療の負担増につながっているとの指摘もある。
沖縄観光はかねて「量から質への転換」が課題とされてきた。
県は第6次県観光振興基本計画(22~31年)でその実現を目指し、目標値を(1)県民の幸せ感など「社会の視点」(2)観光事業者の平均年収など「経済の視点」(3)フードロス削減など「環境の視点」-の三つの指標で定める。
「県民、事業者、観光客」の三方よしの均衡の取れた観光産業へ、転換を進める時期に来ている。
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県は来年2月から「宿泊税」を導入。県内での宿泊料の2%を徴収する。
県と本部、恩納、北谷、宮古島、石垣の5市町村で年間計77億円が見込まれる税収は、沖縄観光の構造転換を進める貴重な財源となるに違いない。
県は2次交通の充実や観光人材の確保、オーバーツーリズム対策などに取り組む考えという。
観光客の満足度を高める施策はもちろんのこと、持続可能な観光産業の仕組みづくりにも投じるべきだ。

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