外国人の在留審査にかかる手数料の引き上げを盛り込んだ入管難民法改正案が国会で審議中だ。
現行一律1万円が上限の手数料を、在留資格の更新や変更時は上限10万円、永住許可については上限30万円まで引き上げる。
衆院では自民、維新、国民などの賛成多数で可決。政府・与党は今国会の成立を目指す。
上限の引き上げは1982年以来だ。物価高などを考慮すればやむを得ない面もあるだろう。
実際の額は政令で定められる。在留資格の更新などは現行の6千円を在留期間に応じて1万~7万円程度、永住許可は現行の1万円から約20万円で検討されている。
しかし、手数料は昨年も引き上げたばかりだ。
在留資格は原則3カ月~5年おきに更新が必要だ。外国人が日本に滞在するために必須であり、手数料が引き上げられれば負担増は避けられない。
在留外国人は昨年末、過去最多の412万人超となった。
政府は引き上げにより、実費を除いても460億~690億円程度の歳入が見込まれるとし、効率的な在留審査を行うためのシステム費をはじめ、将来的には外国人の日本語学習プログラムなどにも充てるという。
だが、外国人労働者は今や経済に欠かせない存在であり、一連の施策は日本人にとっても有益なはずだ。なぜ今、外国人だけに負担を求めるのか。
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背景にあるのが外国人政策の厳格化だ。
高市早苗首相は昨秋の就任直後から外国人政策の見直しを宣言。わずか2カ月半でまとめた検討項目は、国籍取得や永住許可の要件厳格化、社会保障制度の不適切な利用対策など広範囲に及ぶ。
手数料引き上げで懸念されるのは難民認定を申請する人への対応だ。
難民申請中は2~6カ月ごとに在留資格を更新しなければならず、手数料が引き上げられれば支払えなくなる恐れもある。
迫害から逃れてきた人たちにとって在留資格は命綱だ。手数料が負担できないために帰国を余儀なくされれるようなことがあってはならない。参院では負担軽減や激変緩和など政府に軌道修正を求めたい。
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2024年の入管法改正では、難民申請者の送還を可能にする例外規定が新たに設けられた。
一方、入管審査で難民申請を不認定とされたカメルーン人の男性が処分の取り消しを求めて国を訴えた裁判では4月、1審に続き2審の東京高裁でも難民の認定を命じる判決が下された。
ほかにも難民不認定を覆す司法判断は続いている。
真の共生社会へ。例外規定の廃止など厳格化一辺倒の在り方を見直す必要がある。

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