◆第21回ヴィクトリアマイル・G1(5月17日、東京競馬場・芝1600メートル)

 春のマイル女王決定戦、第21回ヴィクトリアマイルは17日、東京競馬場の芝1600メートルで行われる。

 華々しい船出には、まだ続きがある。

橋田宜長調教師(37)=栗東=は開業19日目にアイサンサンで愛知杯を勝利。1984年のグレード制導入以降、最速で重賞制覇を成し遂げ、今度は84年以降で史上2位となる開業74日目のG1制覇を狙う(1位は森秀行調教師の69日目)。東京マイルは1戦1勝(昨年10月の鷹巣山特別)。「今回はG1ですが、舞台設定は悪くないんじゃないかなと思います」と目を輝かせた。

 開業から2か月余り。「本当に人に恵まれたというひと言に尽きます」。その視線の先には明るい表情で仕事に励むスタッフがいる。モットーは「相手のためにもうひとつ」。担当馬ではなくても、他者が違った視点で見た印象を伝え、共有することがチーム力を強くする。「いい意味でちょっとおせっかいができる感じがいいかな」と笑う。

 競馬への“入り口”はサイレンススズカ。希代の快速馬を手がけた橋田満元調教師は厩舎で水曜日に行っている管理馬の馬体チェックにも2度訪れており、そのときには適性など積極的にアドバイスを求める。

 父から開業時にもらったのが「自分が思っている半分でもできたら上出来と思って調教師はやるもんだ」という言葉。人からの愛と絆を感じてきた充実した日々は“半分以上”の手応えがある。そして、アイサンサンとG1初挑戦。「できるだけ平常心というか、馬に不要なストレスを感じてもらうことなく、レースに向かっていけばと思っています」。感謝の思いを乗せた走りで頂点を目指す。(山本 武志)

 ◆橋田 宜長(はしだ・よしたけ)1988年10月4日、滋賀県生まれ。37歳。父はJRA・G1・11勝の橋田満調教師。函館ラ・サール中学、高校を経て早稲田大学卒業。15年から栗東の橋田厩舎に入り、18~20年にディアドラの海外遠征に帯同した。解散した23年以降は中竹厩舎に移籍。今年3月に厩舎を開業し、9戦目での初勝利がアイサンサンでの愛知杯。

JRA通算3勝。

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