大相撲夏場所3日目(12日・両国国技館)

 小結・若隆景が東前頭2枚目・義ノ富士を寄り切り、24年九州場所以来の初日から3連勝とした。4場所ぶりに三役に返り咲き、2度目の賜杯へ好スタートを切った。

大関復帰の霧島も東前頭筆頭・藤ノ川を寄り切って3連勝。新関脇勢は熱海富士が西前頭3枚目・王鵬を押し出し、琴勝峰は西前頭2枚目・一山本をすくい投げで下し、ともに初白星を挙げた。勝ちっ放しは早くも霧島、若隆景、平幕の琴栄峰、翔猿の4人となった。

 不屈の31歳に勢いが戻ってきた。若隆景は義ノ富士との立ち合いで低く鋭く当たると、右をのぞかせて寄り切った。勝因については支度部屋で「下からいく意識だった」と多くは語らず。義ノ富士とは過去3戦全勝だったが「そういうことは考えていない」と手綱は緩めなかった。無傷の3連勝は優勝した22年春場所を含めて4度目だ。

 昨年秋場所は大関取りに挑んだが、首痛もあり6勝9敗。大関昇進どころか平幕に転落した。前頭筆頭だった今年の春場所前には右肘の靱帯(じんたい)を伸ばすアクシデント。手術の選択肢もあった中、「(復帰まで)3か月かかると言われた」と痛みと付き合う道を選んだ。

関脇だった23年春場所では右膝大けが。幕下まで番付降下した過去の苦い記憶や年齢も考慮した。すぐに帰京し、細胞や組織の再生を促進する「PRP治療法」を選択した。

 師匠の荒汐親方(元幕内・蒼国来)は、今年春場所を初日から休場し、途中出場を提案した。だが、若隆景は横綱、大関との対戦を見据え、初日からの出場を志願。いきなり横綱・大の里から初金星を獲得した。ただ、その代償は大きく、勝ち越した13日目・阿炎戦で患部が悪化。14日目に休場した。春巡業は休場し、部屋でリハビリと地道な下半身強化で今場所に備えた。

 稽古で相撲を取り始めたのは夏場所初日の10日前。「しっかり体を動かしてきた。あとは一生懸命、相撲を取るだけ」と何度も大けがを乗り越えてきた自信が体を突き動かした。

大関昇進の目安は「三役で直近3場所33勝」。今場所の目標はまず2ケタ勝利。大関候補が初夏の土俵で白星を重ねていく。(山田 豊)

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