大相撲夏場所3日目(12日、東京・両国国技館)

 小結・若隆景が東前頭2枚目・義ノ富士を寄り切り、24年九州場所以来の初日から3連勝とした。4場所ぶりに三役に返り咲き、2度目の賜杯へ好スタートを切った。

大関復帰の霧島も東前頭筆頭・藤ノ川を寄り切って3連勝。新関脇勢は熱海富士が西前頭3枚目・王鵬を押し出し、琴勝峰は西前頭2枚目・一山本をすくい投げで下し、ともに初白星を挙げた。勝ちっ放しは早くも霧島、若隆景、平幕の琴栄峰、翔猿の4人となった。

 若隆景の100点超えの相撲だった。義ノ富士の立ち合いで、突き放して突っ張って体を起こしてハズで押すというイメージを、若隆景の低い立ち合いが簡単に打ち砕いた。下からすくうように立って右を差すと一直線。義ノ富士の立ち合いも80点だが、若隆景には120点を付けたい。レベルの高い一番でもあった。

 上体だけで前に出れば足がそろってはたき込みを食ってしまう。立ち合いの勢いがそのまま下半身に伝わっていたから力強い。師匠からは「顎を引いて脇を締めて低く鋭く当たれ」と指導を受けるものだ。基本中の基本だが、教えられてもできるものではない。

若隆景は基本に忠実だった。相撲のお手本を見せてくれた。

 若隆景の大関昇進を心から願っている。私が現役の頃、旭国さんが大関に昇進して番付に厚みが増したと感じた。馬力が主流の上位陣でキラリと光る技巧派。私は若隆景が大関に昇進すればさらに番付に活気が生まれると信じている。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

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