大相撲夏場所3日目(12日・両国国技館)

 東前頭10枚目・朝乃山が、東同11枚目・宇良を押し出し、2勝1敗で白星を先行させた。2019年に初賜杯を抱いた思い出の夏場所。

元大関が学生時代から対戦してきた人気力士同士の対決を制し、両横綱不在の初夏の土俵を盛り上げた。

 朝乃山の闘志がほとばしった。頭を下げて一直線に当たると、低い姿勢の宇良を起こしてのけぞらせ、一気に押し出した。立ち合いは「相手を中に入れさせないようにした」と狙い通りだった。連日、人気力士の宇良が集める大歓声を聞き「やる気が出た」とひそかに燃えていた。自身もひときわ大きな声援を浴びる存在。2秒7の決着後、館内は幕内前半戦とは思えない盛り上がりを見せたが「それは勝ったからですよ」と涼しい表情で語った。

 近大出身の朝乃山は、関西学院大出身で1学年上の宇良と学生時代にも対戦していた。「2、3回対戦して1回しか勝ってない。当時はアクロバティックなイメージ。今は体付きが全然違う」と回想。春巡業では連日、申し合い稽古で土俵に上がる姿を見て「宇良関の方がずっと相撲を取っている。

体がすごい。かっこいいですよ」と尊敬の念も抱いていた。幕内での対戦は24年春場所以来、2年ぶり。「世界で人気の宇良関ですから。対戦できてうれしい」と感慨を込めた。

 2日目の伯乃富士との取組では立ち合いで起こされて後退。土俵際で突き落としたが、行司軍配差し違えで敗れた。「昨日は自分らしくない相撲を取ってしまった。開き直るしかない」と切り替え、2勝1敗で白星を先行させた。3日目で勝ちっ放しは大関・霧島ら4人と早くも混戦模様。元大関が7年前に平幕で初優勝し、トランプ米大統領から大統領杯を受け取った思い出の夏場所を沸かせる。(林 直史)

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