降り注ぐ大量の白い紙吹雪。新曲「Braver」のイントロが流れる日本武道館で、バンドリーダー・矢花黎の目から涙が溢れた。
顔を見合わせる7人のメンバーたちも次々と涙を浮かべ、2日間で約2万7000人のファン”BaetZ”が見守る中、8人組グループ・B&ZAIは確かに歴史を刻んだ。
2026年5月9日。橋本涼、矢花黎、今野大輝、菅田琳寧、本高克樹、鈴木悠仁、川崎星輝、稲葉通陽――。結成わずか1年で8人が立ったバンドの聖地。デビュー前グループによる日本武道館単独公演は、1994年のKinKi Kids以来、実に31年ぶりの快挙だ。
B&ZAI
日本武道館に至るまで、通算100公演を経て磨き上げたバンドスキルとグループの結束力。ボーカルを務める橋本は、「全国を楽しく回ってきて、最後に日本武道館にファンの皆様とメンバー8人で立てたことが嬉しい。STARTO ENTERTAINMENTにはバンドをされてきた先輩方がたくさんいらっしゃいます。そのバンド文化をしっかり僕たちが継承して、日本武道館でパフォーマンスできているという事実に、大きな喜びを感じています」と語った。
B&ZAI
これまでの軌跡がモニターに流れるなか、オープニングは「なつ♡あい」からスタート。リーダー・今野が「武道館、愛しあっていこうか」と不敵な笑みを浮かべると、会場は一気に熱気に包まれた。続く「パリピポアンセム」や「weeeek」では観客を巻き込みながら盛り上がりを見せ、大きく揺れるペンライトの波。
その後、披露した「Ready for B&ZAI」は、グループ初のメンバー紹介ソング。激しく頭を揺らす”ロック”な部分と、サビはアイドルらしさを兼ね備えた構成――グループの魅力が凝縮された一曲だ。
B&ZAI
ライブ中盤、会場を笑いと歓声で包んだのが、本高が彼らのプロデューサーでもあるSUPER EIGHTの大倉忠義と「夜中の12時までプロットを書いた」という渾身のコントコーナーだ。平成ギャルになりきった8人が「ぷり♡ざい」として登場。メンバーの個性的なキャラクターがモニターに映るたびに、BaetZから割れんばかりの歓声が上がった。
後半では「T.A.B.O.O」で菅田、本高、川崎が激しいロックダンスやタットダンスを披露。矢花が三味線を奏で和の世界観で「ツキヨミ」を妖しく美しく表現し、続く「狼青年」では入れ替わり立ち替わりのフォーメーションや、川崎や菅田のアクロバットなど、8人が織りなすダイナミックな演出。さらに本編のクライマックスで、バンドセットがステージに現れると、グループ初の楽曲「First Beat」などバンドスタイルの楽曲を連発した。
「LOVE YOU ONLY」ではTOKIOが使用していた機材を使用し、バンドの聖地に先輩の魂を持ち帰る”エモさ”も爆発した。そして、「無責任ヒーロー」――SUPER EIGHTをはじめとするバンドを武器にした先輩たちへの”継承”の証だ。
B&ZAI
最後の挨拶では矢花がセンターステージに立った。会場を見渡して、「日本武道館って、バンドの聖地なわけですね。
そんな場所に我々が立たせてもらうということが、エイト兄さんしかり、TOKIO兄さんしかり、バンドをやってるパイセン方が立ってきたステージだなと、思い入れが乗っかるんです」とコメント。そして、7人のメンバーを矢花の言葉で一人ずつ丁寧に紹介したあとに、「こんなメンバーと武道館に立てるんだって思った時に、僕は最高にテンションが上がりました。改めて見に来てくださってる皆さん、そして7人、ありがとう!」と呼び掛けると、拍手で包まれる。
ラストナンバーは、新曲「Braver」。目標を達成した彼らを祝うように、ステージ上から降り注ぐ大量の白い紙吹雪のなか、8人が肩を抱き合って泣いた。リーダーの今野は、「支えてくださる皆さんのおかげで僕らの夢をひとつ叶えることができました。これから先も僕らと夢を叶えていきましょう」と新たな決意を誓った。
B&ZAI
7月25日からは東京・Kanadevia Hallで全17公演のライブ開催が決定している。結成1年で到達した夢のステージは、彼らにとってゴールではなく、新たな挑戦の始まり。ROCK×IDOLという二面性を武器に、デビューを勝ち取るB&ZAIに期待したい。
取材・文/吉岡 俊 撮影/後藤 巧