「The Lazy Song」('10) /Bruno Mars
緊張感であふれる今こそ、自愛を後押ししてくれる“ゆるい”曲も必要なわけで。ゆる~いテンポで紡がれる軽くてポジティブなサウンドと、「何もしたくない。家にいたい。なんならベッドから出たくな~い!」といったゆるいリリックが結集した傑作「ザ・レイジー・ソング」は2018年のグラミーをほぼ独占するなど頂点を極めたブルーノ・マーズのデビューアルバム『Doo-Wops & Hooligans』に収録された作品。未来形/未来表現と家での動作にまつわる単語が多く出てくる他、裸でいることを“Being in your birthday suit”と表現する言い回しやスラングにも触れられます。
「Big Yellow Taxi」('70) /Joni Mitchell
偉大なるシンガーソングライター、ジョニ・ミッチェル。彼女の名が広く知れ渡るきっかけになった曲が「ビッグ・イエロー・タクシー」です。2週間のハワイ旅行を2日で切り上げさせてしまったほどジョニを落胆させたのは、豊かな自然を壊して作られた駐車場の多い街並みと旅をともにする人を乗せてその街へ向かう黄色いタクシー。失ったものの尊さ、それに気づかない人間の愚かさを綴り、環境問題にフォーカスしたリリックを、ハワイに吹く軽やかな風を感じさせるサウンドにのせたこの作品は発売から50年が経過してもなお、私たちが見つめるべきことを教えてくれます。
「Earth Song」('95) /Michael Jackson
先のジョニ・ミッチェル作品に続き、環境をテーマにしたマイケル・ジャクソンの「アース・ソング」をオススメするのには理由があります。世界中の人々がコロナ・パンデミックによって大きな打撃を受ける中で聞こえてきたのは、世界的な環境改善が起きているというニュース。各地で行なわれた新型コロナウイルス感染拡大を押さえるための出入国制限やロックダウンが、中国の大気汚染を劇的に現象させ、ベネツィアの水を澄まし、インドでは遠くのヒマラヤ山脈が30年振りに美しく見えるようになったと知り、何も感じない人はいないはずです。便利さの追求もほどほどにして、自然との共生を考えるためにもマイケルの遺志に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
「We Can Work it Out」('66) /The Beatles
愛するパートナーや家族であっても、急な巣ごもり生活で息が詰まるのは当然のこと。
「Live Forever」('94) /Oasis
生と死を考える時、頭の中で自動再生される曲があります。
早乙女‘dorami’ゆうこ/栃木県佐野市出身。音楽を軸に、コンサート制作アシスタント通訳、音楽プロモーション、海外情報リサーチ、翻訳、TV番組進行台本や音楽情報ウェブサイト等でコラムや記事を執筆するなどの業務を担うパラレルワーカー。