19日放送のテレビ朝日系『タモリステーション』(後8:00)では、日本の魚に起きている異変にスポットを当てる。スタジオゲストには、京都大学名誉教授で海洋研究開発機構アドバイザーの白山義久氏、東京大学大気海洋研究所教授の藤井賢彦氏、“鮨 銀座おのでら”統括総料理長の坂上暁史氏、ダイビングと海をこよなく愛する女優・木村文乃を迎え、2時間たっぷり“魚”と“海”の現在を見つめていく。


 近年、冬の東京湾で本来“夏の魚”であるタチウオの漁獲量が増加。昨年1月には、大阪湾と東京湾に立て続けに巨大クジラが出現。昨秋には長崎、三重、北海道…と相次いでイワシが大量漂着するなど、異変が相次いでいる。

 日本には大間マグロや明石鯛など、その地域だけしかとれないブランド魚が多く存在するが、“新巻鮭”で有名な岩手のサケ漁は2014年がおよそ1万5000トンの漁獲量だったのに比べ、2023年は96トンしかとれず、10年間でなんと99%減。大分・佐賀関のブランド魚、関さばの漁獲量も、最盛期と比べると83%も減少していることが明らかに。

 番組では東京湾とも中継を結び、東京湾で起きている異変について、ダイビングガイドの魚地司郎氏にリポートしてもらう。
すると、南方系のサンゴの間を色鮮やかな魚たちが泳ぐという、まるで南国の海のような光景が東京湾海底に広がっていることが判明する。30年ほど前、千葉・館山付近の海底映像を見た記憶があるというタモリは「当時の映像とはまったく違う。南方系のサンゴがこんなにも広がっているとは…!30年の間に、本当にスゴイ変化があったということですね」と驚きの声を上げる。木村も「レジャーの面から考えればサンゴやカラフルな魚が増えると海を好きになる人が増え、環境問題に目を向けるきっかけにはなると思いますが、生態系が崩れていけば私たちの生活にも大きい影響がある」とがく然とする。

 収録を終えたタモリは、「今回は“魚”という切り口から検証を進めましたが、魚だけの問題ではない。海に目を向けてみると、今、大変なことが起きているんですよね。
そしてそれが地球規模の温暖化とつながっているんです」と切実な感想を告白。料理好きで知られるタモリだが、以前から魚をめぐる変化をひしひしと感じていたようで「10年ほど前、鮮魚店の店頭から関あじ、関さばの姿が消えたんです。以来、ずっと関あじ、関さばの入荷があまりなかったのですが、今回、番組が調べたブランド魚の漁獲高の減少時期とも一致。改めてこういうことだったのかと合点がいきました」と、今回の番組で“見過ごすことのできない異変”をはっきり認識したと明かした。

 そしてそれらを引き起こす地球温暖化について「CO2排出量の削減への取り組みって、“こんなこと、自分ひとりがやってもたいした効果はないだろう…”とつい思ってしまいがち。でも、小さなことでも積み重なれば、確実に削減できるんです。
ぜひともみなさんに考えてもらいたい」と力強く呼びかけた。