アカデミー賞受賞歴のあるナタリー・ポートマンとジュリアン・ムーアが共演を果たし、昨年の「第76回カンヌ国際映画祭」コンペティション部門に出品、プレミア上映され話題をさらった、トッド・ヘインズ監督の『MAY DECEMBER』が、『メイ・ディセンバー ゆれる真実』の邦題で、7月12日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開されることが決定した。

 本作は、13歳少年と36歳女性の不倫、獄中出産、出所後の結婚と、1990年代に全米を賑わせた“メイ・ディセンバー事件”の真相を、過去と現在、真実と憶測、さまざまな角度から見つめる心理ドラマ。2人の関係は犯罪だったのか、純愛だったのか、はたまたほかに真実があったのか…。

 脚本家はサミー・バーチ(原案:サミー・バーチ、アレックス・メヒャニク)。唯一無二のセンセーショナルな脚本で一躍脚光を浴び、「第34回インディペンデント・スピリット賞」ほか多数の賞レースで脚本賞を受賞、「第96回アカデミー賞」脚本賞にもノミネートされた。

 予告編では、かつて全米のメディアを騒然とさせた一大スキャンダルの片鱗がつまびらかになる。それは、当時36歳の女性が13歳の少年と不倫の末、獄中で彼とのこどもを出産、刑期後に結婚するというにわかには信じがたい衝撃のニュースだった――。

 そして、親子ほど年の離れたカップルを意味する“メイ・ディセンバー”の事件は、23年の時を経て映画化されることに。そこで、ひとりの映画女優エリザベス(ナタリー・ポートマン)が、モデルになったグレイシー(ジュリアン・ムーア)とジョー(チャールズ・メルトン)のもとに現れる。役作りのリサーチのために近づいたエリザベスだったが、次第にその“調査”はエスカレートしていく…。

 演じる女と演じられる女。ふたりを体現するナタリー・ポートマン、ジュリアン・ムーアというオスカー女優陣の激しい攻防戦が繰り広げられる予感とともに、こどもの頃からスキャンダルの当事者として世間の好奇の目にさらされ続けたジョーを演じるチャールズ・メルトンの、不安定に移ろう心の機微をすくい上げる繊細な演技を垣間見ることができ、「“見世物”ではなく、これは僕の人生だ」という当事者の叫びに胸が締め付けられる。

 ポスタービジュアルは、可憐なフリルのトップスに身を包んだグレイシーと、それを演じる女優・エリザベスがぴったりと後ろに並び、何かを訴えるかのようにこちらにじっと視線を送るインパクトのあるビジュアルに、「実在のスキャンダル 当事者の心で追うか よそ者の目で追うか」というコピーが躍る。