ピン芸人のやす子(25)が、YouTubeチャンネル「オリコン洋画館」内の自らの人生に大きく影響を与えた映画との出会いについて語る企画「かけがえのない1本」に登場。やす子が挙げたのは、中学生の頃に見た『青い春』(2002年公開)。やす子は「自分が恵まれた環境にいることや、自分の行きたい進路を見つける自由さに気づけました」とコメントを寄せた。

 元自衛官で、2019年8月にピン芸人としてデビュー。20年に『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ)のリモートオーディションで自衛隊ネタがウケ、 21年の元旦に放送された『おもしろ荘2021新年SP』(日本テレビ)に出演して知名度が上昇、ブレイクへの扉が開いた。23年は「300連勤以上」の怒とうのスケジュールで、「ブレイク芸人1位」(オリコン調べ)に輝いた。

 テレビで見ない日はないほど売れっ子になったやす子は、『映画 きかんしゃトーマス 大冒険!ルックアウトマウンテンとひみつのトンネル』(4月19日公開)のゲスト声優にも抜てきされ、どんな大きな岩も削ってトンネルを掘るドリルが自慢の掘削機ダーシー役を演じている。しかも、彼女の口癖であり、代名詞の「はい~」と登場し、「仕事が大好きダーシー!」と名演技、ダーシーのテーマソング「はたらきもの いちばん!」も披露している。

 そんなやす子の【かけがのない1本】は、漫画家・松本大洋氏の同名短編集を松田龍平主演で実写映画化した映画『青い春』。豊田利晃が監督・脚本を手がけ、原作に収録された複数のエピソードをもとに、不良高校生たちの閉塞感に満ちた青春の日々を鮮烈に描いた作品だ。

 やす子は「松本大洋先生の『ピンポン』や『鉄コン筋クリート』などの作品が好きで、原作を読んで映画になっていることを知って」と映画『青い春』を見たという。

 新学期から3年生になった九條(松田)、幼なじみの青木(新井浩文)ら6人は、授業をサボって屋上に集まり、柵の外に立って手をたたいた回数を競う“ベランダゲーム”を始める。失敗すれば校庭にまっさかさま。回数が多いほど肝が据わっていることの証となる。新記録を出した九條は学校を仕切る権利を手に入れるが、彼にとってはゲームも学校を仕切ることも無意味なことだった。漠然とした不安と苛立ちを抱えながら退屈な日常をやり過ごす彼らにも、やがて進路選択という現実が否応なく突きつけられる。

 「映画を見たのは中学生の時だったのですが、刺激も強かったですし、自分って意外と恵まれた環境にいるな、と思ったんですね。学校は荒れていないし、ヤンキーもいないし、健やかに部活を頑張っている友達しかいなかったですし、自分の行きたい進路を見つける自由さにも気づくことができました」と話していた。

ヘアメイク:タカダヒカル(PARADE)
スタイリスト:飯嶋久美子(POTESALA)