■これまで誰も見たことのない「リオのカーニバル」“その後”
110年ぶりの新入幕での優勝に沸いた大相撲春場所 千秋楽が終わった後から、この番組は始まる――ひとつのドラマが“終わった後”に密着したドキュメントバラエティとして、第49回放送文化基金賞のエンターテインメント部門最優秀賞も受賞した異色作の第2弾がオンエアされる。
いつもならスタッフロールとともにエンディングを迎えるドラマも、カメラを回し続ければ、そこには連綿と日常が続く風景が広がっている。初回放送ではMCの加藤に「人生の考え方が変わった」とまで言わしめたが、パネラーとして初回に引き続き参加した中岡の目には、どう映ったのだろうか。
「第1回を鮮明に覚えてます。北九州の荒れる成人式の“その後”を追ってみたら、意外と不良じゃなくて、普通の方々が晴れの日だからと楽しんでいることがわかって、普段目にする映像や情報からは見えないことが見えてくる。今回も、本当にいろんなドラマがありました。特に心に残ったのは、マグロ漁師ですね。ほぼ1年間、船の上で過酷な漁を続けて、ようやく帰ってきた後にどんなことをしたいのか?するのか?僕もロケが多くて、1ヶ月に1週間は海外に行っているから、共感できる部分がたくさんありました」
特に「コンビニ」のありがたさは、普段の生活では見落としがちだと中岡。
「海外は夜、店やってないですから。
■『キングオブコント』悲劇の2日後に訪れた奇妙な出来事
テレビやドラマはカットがかかれば、そこで終わる。どんな映像も、映像であれば「すべて切り取られたもの」という宿命がある。一方、現実は容赦なく続いていく。中岡にとっても、2015年の『キングオブコント2015』は忘れられないドラマであり、そこからいまに続く物語がある。
「1本目で高得点を取らせてもらって、2本目にまさかの大すべりで、優勝どころか3位という…。
悲劇から2日後、そんな中岡に奇妙な出来事が起こる。
「新幹線に乗ってたら、後部座席のすきまから、すっと手が伸びてきたんです。見たら指先に名刺が挟まっていて、○○カウンセラーって書いてあるのがわかりました。受け取ってめくると、裏に『大丈夫ですか?』って手書きの文字がありました。
中岡はその後、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)で一躍人気者に。海外を飛び回っているが、帰国後は「また行きたい」とうずいたりするのだろうか?
「いや…ないです(笑)。体もしんどいですから。でも、コロナ禍でしばらくロケがなかったときは、やっぱり『また行きたいな』とはなりましたね。
最近行ったエチオピアも心に残っているという。
「かなりディープな国で、大変なロケでしたけど、最高でした。まず、暮らしている人がすごく明るいんですよ。車に寄ってくるので窓を開けると『マネー』ってお金をたかってくる。そんな国は世界にたくさんあるんですけど、エチオピアの『マネー』は、とにかくポップで悲壮感がなくて満面の笑顔で言ってくるから、こっちも思わず笑顔になってしまうような素敵な『マネー』でしたね。
■テレビ収録の“その後”の異様な光景
行ってみないとわからない。たしかに、何かのアクションを起こせば、そこからドラマが始まり、やがて終わりを迎えても、それはまた別の何かの始まりにつながっていく。今回のオンエアでは、80歳にしてマグロ漁師としてデビューした男性の“終わりと始まり”にも密着している。
「そんなことあるんやなって。なんでもやる気になれば挑戦できるって意味では、ぼくはフィールドホッケーのアンバサダーをやらせてもらっているので、今度のパリオリンピックに応援に行こうと思ってます。ただ…ホテルめっちゃ高い!想像の5倍くらいします!まあ、それは頑張るとして、やっぱりスポーツにしろドラマにしろ、なんでも始まりと終わりで区切れるものじゃないです。今回のオンエアでは相撲部屋にも密着していて、そこにも普段テレビに映らないような風景や暮らしがあるんです。『こんなんなんや』って驚きがあるし、知らなかったことや意外な日常に触れることで、より身近に感じられましたね。テレビの収録の後とかも、密着してみたら面白いかもしれないですね。『ありがとうございました~』って笑顔の後に、ピンマイク外してすーっとみんな去っていきますから(笑)。あれはちょっと異様な光景ですよ」
これからもさまざまな“その後”を見て見たくなる『~この後どうする?密着TV~終わりが始まり』。ひと言で表すなら、「終わらない番組」であってほしいと中岡。ゴールデンタイム初進出となる第2弾のオンエアには、あっと驚くドラマと感動が待っている。
(取材・文/マイティ・M)
※取材の模様は、5日放送の『ライターズ!』(日本テレビ 日曜深夜1:30)でもご覧いただけます。放送後はTVerでも期間限定で配信されます。