水中に人の手足を入れると古い角質などを食べてくれる「ドクターフィッシュ」は、美容や健康への効果が期待できるとされ、10年ほど前から日本のレジャー施設などで見かけることが多くなった。一方、なぜか中国ではこのドクターフィッシュが大量死する事件が相次いで発生しているというのだが、その原因がヒドかった。



「中国水産養殖網」(5月10日付)によると、今月初めに広東省にあるドクターフィッシュの体験施設で、魚が大量死する事件が発生したという。ある男性客が「足以外は池に入れてはいけない」という施設の決まりを破り、ドクターフィッシュが放たれた池に、なんと全裸で浸かってしまったのだ。男性が池に入って5分ほどが経過すると、ドクターフィッシュが次々と死に始め、最終的に、その数は数千匹に上ったという。

 防犯カメラ映像をチェックしていたスタッフがすぐに異常に気づき、現場に駆け付けた。事情を聞くと、なんとも信じられない言葉が返ってきた。男性は「全身を癒やされたくて池に入ったが、まさか魚がこんなに弱いと思わなかった。
気持ち良くなって池の中で放尿したけど、それだけで死ぬなんて……」と口にしたのだ。施設側はこの男性の尿によってドクターフィッシュが中毒を起こし大量死したとみて、3万元(約50万円)の損害賠償を請求している。

 さらに1月にも、北京市でドクターフィッシュ大量死事件が発生している。IT企業に勤める35歳の男性が市内のマッサージ店で足を水槽に浸けたところ、異変が起こった。水槽に放たれていたドクターフィッシュが、すべて死滅したのである。水槽からは悪臭が漂っていたため、店のスタッフは男性が毒物などを水槽に入れたのではないかと疑い、説明を求めた。
すると男性は「この10年、仕事が忙しく、足を洗っていなかった。それが原因で、魚が死んでしまったのかもしれない」と話したという。

 もはやドクターフィッシュへの“虐待”とも思えるこうした行為は、ほかにも報告されている。2年ほど前に中国のネット上にアップされた動画には、ドクターフィッシュの泳ぐ池に、水着姿の女性が浸かっている。大きく股を広げているが、よく見ると下半身には何も身に着けていない。そして、そこにドクターフィッシュの大群が群がっており、女性は気持ち良いのか、時折「アアッ」と声を上げて楽しんでいる。


 ドクターフィッシュで性的興奮を得ようとする中国人を目撃したというのは、同国在住のライター・吉井透氏だ。

「ゲイの客が多いといわれる雲南省のサウナに行った時、大浴場にドクターフィッシュの入った水槽があったんです。そこに若い男が浸かっていたんですが、魚が股間に不自然に集まってきていて、男は恍惚の表情をしていた。どうやら水槽の中で射精していたようです。危うく僕も入るところだった」

 人間のいいように使われるドクターフィッシュが不憫でならない……。

(取材・文=青山大樹)